「親と同居」する30歳既婚男性の本音
内閣府によると、2025年、75歳以上の高齢者は2,180万人となると予測されています。さらなる「超少子高齢社会」が眼前にせまるなか、現役世代はこの現状にどのような思いを抱え、資産形成をしているのでしょうか。
竹中さん(30歳・男性/仮名)。2つ上の妻、息子と娘、そして現在60歳になる実母とともに生活しており、月の収入は30万円、手取りでは24万円ほどになります。奥様は妊娠を機に退職しており、現在は専業主婦として2人の子どもを育てています。
「ボーナスが支給されるので、年収は450万円ぐらいです。父が亡くなったことをきっかけに母と一緒に住むようになりました」
竹中さん一家が暮らすのは、首都圏近郊の2LDK。家賃は月8万円です。
「5人で2LDKは、僕としてはなかなかしんどいです。母に一室を用意していて、もう片方の部屋で妻と子どもと僕の4人で寝ていますが、『自分の時間が欲しいな…』と思うときがあります。いずれ戸建ては持ちたいですね。子ども部屋だって用意してあげたい」
マイホーム願望を語る竹中さん。現在の貯蓄状況を伺うと…。
「貯金は、どうでしょう。平均値がわかりませんが、そこそこあるほうではないでしょうか。独身のころから続けていた預金200万円と、結婚資金として妻の両親からいただいた300万円、あわせて500万円ぐらいです」
金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』(令和5年)によると、2人以上の世帯において、金融資産(預金・株・投資信託等)の保有額は、平均値「1,307万円」、中央値は「330万円」となっています。
親との同居について、思う節はあるのでしょうか。
「母は今60歳ですが、近所でパートタイムの仕事をしていて、僕たちの生活費も援助してくれています。その意味でも同居はありがたいです。妻と姑の関係は…悪くないと思いますけどね。日中は仕事で僕はいないので分からないけど、土日の様子を見る限りは普通です。料理は僕の母が結構作っています。妻はもっぱら子育てって感じです」
「母はいずれ、老人ホームに入ると言っていますが、まだまだ先の話だと感じています。健康そのものですし。しばらくはこのまま、『親子共働き』の状態がベストかと」