恐ろしい争いを防ぐ…高齢化社会で生前対策する意義
目先の税金対策に目がくらんだ結果、かえって大損をしてしまうことに……とは、相続界隈ではよく聞かれる話。家族のためを想った相続対策に魔の手が潜んでいるのです。
相続税を「払わない」のではなく、「払えない」事例も相次いでいます。現金として保有していたならまだしも、相続財産が不動産だった場合。「たくさん財産をもらったんだから、相続税を支払ってください!」と国に言われても、いやいやそんな現金ないですよ……という悲惨な事態に陥る例が少なくないのです。
2060年、日本人の平均寿命は男性84.19歳、女性90.93歳になると推計されています(内閣府HPより)。高齢化に伴い、相続対策はますます重要視されていくことでしょう。
税金対策を主とした「相続『税』対策」は確かに一定の資産を持つ方に限った話ですが、自分の死後、資産をどうするか?という「相続対策」は、必ず直面する問題です(それはもちろん、現金などの『プラスの財産』に限らず、借金などの『マイナスの財産』を含みます)。
相続には法定相続人という考え方があり、「あの人だけにお金を託す!」と本人が意気込んだとしても、そう簡単にはいかない仕組みになっています。だからこそ、生前対策をしたつもりでも、故人のお金をめぐり恐ろしい争いになる例が絶えないのです。相続のプロのなかには、「財産を使いきるのが最強のトラブル防止策」と断言する人も少なくありません。
どんな選択を取るにしろ、まずは情報収集から。自分はどうしたいのか?というゴールを明確にした上で、逆算的に生前対策を講じるには、早め早めの準備が大切です。
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