日本が「大回復時代」に入ったのは明らか…経済の専門家が〈国内株高の加速〉を予測する“これだけの根拠”

日本が「大回復時代」に入ったのは明らか…経済の専門家が〈国内株高の加速〉を予測する“これだけの根拠”
(※写真はイメージです/PIXTA)

今年3月には日経平均株価が一時4万円を超えるなど、日本経済に復活の兆しがみえてきています。わが国はこのまま「完全復活」を遂げることができるのでしょうか? これから日本株のさらなる上昇が期待できる理由と、日本経済の停滞がここまで長引いた原因をあわせてみていきましょう。

日本のデフレと長期停滞を長引かせた「政策」の誤り

ここで日本の停滞を長期化させたあと1つの理由、政策の誤りに触れておく必要がある。

 

その第1は、問題解決の先送りである。バブル崩壊の1990年から1997年まで、政府も企業、金融機関も問題隠蔽、責任転嫁、財政テコ入れによる弥縫策で痛みを伴う本質的解決を図らず、問題を先送りした。

 

1997年の金融機関破綻の危機が発生してようやく痛みを伴う金融構造改革に着手、改革の対価として銀行に公的資本が注入され、不良債権が政府・日銀に肩代わりされた。なお投入された公的資金はSBI新生銀行、地銀2行を除き完済されている。

 

2003年以降日本経済は回復に転じたが、ここで第2の誤りが生じた。時期尚早の金融・財政引き締めへの転換である。それに運悪くリーマンショックが重なり、日本経済はWボトムに陥った。

 

リーマンショックはすべて米国など海外での金融危機であった。しかしその震源地から最も遠かった日本がもっとも大きな経済的打撃を受け、株価ももっとも長く低迷した。

 

尚早の政策引き締めが株価と不動産価格を本源的価値以上に押し下げ、付加的なコストを企業に与え、回復に転じていた日本経済と株価をWボトムに陥れた。

 

日本の土地と株式を合計した国富時価総額は、1989年末3,142兆円でピークをつけ2002年末の1,723兆円でいったん底入れし回復に転じたが、リーマンショック後さらに下落し2011年末1,512兆円になった(なお2023年末では2410兆円と顕著に回復している)。

 

この二番底は正しい政策を取っていれば回避できたはずである。それは中国にとって、他山の石になると思われる。

 

出所:武者リサーチ
[図表4]主要国の住宅価格(2000=10)/[図表5]日本の土地+株式時価推移 出所:武者リサーチ

 

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武者 陵司

株式会社武者リサーチ

代表

 

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※本記事は、武者リサーチが2024年6月17日に公開したレポートを転載したものです。
※本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。

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