家賃収入だけではない「ワンルーム投資」の成果物
ワンルーム投資によって得られるものは何か。筆者たちなりに考えて以下にまとめてみました。
これは、そもそもワンルーム投資を始めた目的であり、その途中経過の成果でもあります。途中経過ですから、得られた成果としては十分ではないものもあります。同じことを別の角度からとらえているものもあります。それを前提にご覧ください。
<ワンルーム投資から「得られるもの」一覧>
●将来の年金不足分の補填
●ローン設定時の団体信用生命保険を利用した生命保険の代用
●インフレによる資産目減り対策
●相続税対策
●妻の小遣いの増加
●不況時のサラリーマンの給与減額への対策
●リストラや会社倒産への備え
●将来の病気などにより働けなくなったときの備え
●収入に大きな増減のある自営業の安定収入の確保
●脱サラして何かに挑戦するとき、軌道に乗るまでの資金源
●子どもの教育資金の確保
●早期退職し、趣味に没頭するための収入源
●資産の分散保有
●田舎暮らし実現のための現金収入
●人生を満喫するための資金源
●自分の好きなことだけをしても生きていける選択肢の拡大
●お金に苦しまない人生を歩むための手段
●複数の収入源の確保(生活の安定性確保)
●定期的に旅行を楽しむための原資
総じていえることは、このような成果が得られるものは、ほかにはないということです。夫がサラリーマンとしてのみ暮らしている夫婦や家族にはもちろん得られないことですし、夫婦がともに勤めに出ていても得られるものではありません。さらに、不動産以外の金融商品などの投資を行っていても得られるものではないでしょう。
私たち夫婦にとって、夫がサラリーマンで妻がワンルーム投資の会社の社長であることが、もっとも安全で堅実、すなわち賢い資産形成・運用の方法であるとご理解いただけるでしょう。
破綻と背中合わせの不動産投資をしてはならない
あるセミナーに出席したところ、投資資産6億円で年間不労所得1000万円を実現された方の例が紹介されていました。詳細を聞くと、借入金は5億円、年間の返済額は2000万円ほどになっているそうです。これを算式で示せば次のようになります。
所得(1000万円)=(家賃収入3000万円)-(ローン返済金2000万円)
これから推測すれば、6億円の資産の投資利回りは5%で、5億円のローン金利は返済期間30年と想定して2.6%ということになります。
もし、借入金が変動金利で、その金利が6%に上昇することにでもなったら年間の返済金額は3000万円となり、年間収入はゼロになります。さらに金利が上がるか、家賃収入が滞納や空室などにより下がることになれば、赤字転落になってしまいます。
ただし、30年の間、全期間固定の低金利で、30年間で5億円を借入れできるのなら、ある程度、リスクを見込めますし、大きな間違いではありません。
そのあたりの不安定さをセミナーの席で質問してみたのですが、明快には答えてはもらえませんでした。
全期間について、固定・低金利が実現できているとすれば、投資方法よりむしろ5億円の資金を借入れする方法が素晴らしいということでしょう。しかし、そうではなく変動金利での借入れであれば、このやり方は絶対にすべきではありません。
仮に不労所得1000万円分をすべて返済に回すことができたとしても、金利などのリスクに対する備えが甘く、あまりに危険すぎます。金利の上昇は非常に短期間に進むことがあるからです。
ワンルーム投資から得られるものを、一時期で判断してはいけません。ワンルームも含めて不動産投資というと、家賃収入という不労所得の金額の大きさについ目が行きがちですが、つねに破綻と背中合わせになっているやり方はおすすめできません。
小さい成功を積み上げて大きな成功をつかむやり方が、結局は成功します。「ウサギとカメ」の昔話のように、最後はカメが勝つということを覚えていただきたいものです。