(※写真はイメージです/PIXTA)

投資している株価が下落しているときは一体どうしたらいいのでしょうか? 足立公認会計士事務所代表の足立武志氏は、著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』の中で「乗り切るためには4つの手法がある」と主張しています。一体それはどんなものでしょうか? 手法を本書から紹介します。

怖い? でも気になる。信用取引を始めてみよう!

下落相場を戦うための有効手段である「空売り」を行うためには、証券会社に現物口座とは別に「信用口座」を開設する必要があります。ネット証券の普及により個人投資家にとっても身近になってきましたが、まだまだ抵抗感がある方も多いようです。そこで、少し脇道にそれますが、信用取引の魅力と注意点についてお話ししたいと思います。


通常、株式に投資する際には、株を買うためのお金を準備し、そのお金で株を買う、という流れになります。1株1000円の株を1000株買うためには、証券会社の口座に100万円のお金を入れておく必要があります。この取引を「現物取引」といいます。


一方、「信用取引」とは、証券会社から借金をして株を買うことです。例えば、100万円分の株を買いたいのであれば、100万円をまるまる持っていなくても、証券会社に保証金30万円を差し入れれば買うことができます(必要な保証金の額は証券会社により異なります)。なお、信用取引を使えば、株を買うだけでなく、持っていない株を売る(空売り)こともできます。

信用取引を用いる2つの理由とは?

筆者も信用取引を多用していますが、その理由は(1)純粋に利益を求めるため、(2)保有株の株価下落に備えたヘッジをするための2つです。

 

(1)純粋に利益を求めるとは

例えば、30万円の資金を使って現物取引により30万円分の株を買ったとき、50%値上がりすれば15万円の利益になります。30万円の資金に対する利益率は50%です。他方、信用取引を用いて30万円の資金で100万円分の株を買い、その株が50%値上がりすれば利益は50万円となります。

 

元本30万円に対し50万円の利益ですから、利益率は166%となります。信用取引を用いると、およそ3倍のレバレッジをかけることができます。そのため、元本が小さくても大きな利益を狙うことが可能となるのです。


(2)保有株のリスクヘッジとは

下落相場では信用取引が威力を発揮します。例えば、保有している株の株価が下降トレンドになり、さらなる下落が懸念されるような場合です。保有株自体を売却してもよいのですが、含み益がたくさんあるので売却すると多額の課税がされてしまう、せっかく安く買ったので、できればそのまま持っておきたいというニーズもあります。


そんな時、持ち株はそのまま保有する一方で、同じ株数の空売りを実行すれば、いわゆる「両建て」となり、その後、株価が上昇しても下落しても損益は変動しません。つまり利益確定の取引をせずに、売却したのと同じ効果を得られることになります。

 

●両建て ある銘柄を保有しながら、同じ株を同じ株数、空売りすることで、上下どちらに値動きしても損益に変化がないようにすること。単純に保有株を売却するのと損益的には同じ効果ですが、保有株は持ったまま、一時的な下落で損失が膨らむのを防ぐために使われる投資手法の一つです。

次ページ信用取引のメリットとリスク

※本連載は、足立武志氏による著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』(扶桑社)より一部を抜粋・再編集したものです。

お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書

お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書

足立 武志

扶桑社

楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で人気連載を持つ著者が伝授。 投資でお金をしっかり増やせる人になるために、新NISAが始まったいまだからこそ読みたい株式投資の教科書。 2024年2月22日、日経平均株価がそれまで…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録