(※写真はイメージです/PIXTA)

投資している株価が下落しているときは一体どうしたらいいのでしょうか? 足立公認会計士事務所代表の足立武志氏は、著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』の中で「乗り切るためには4つの手法がある」と主張しています。一体それはどんなものでしょうか? 手法を本書から紹介します。

信用取引のメリットとリスク

信用取引のメリットといえば、前述した通り、レバレッジを利かせることで、少額の資金で大きな利益を目指すことができるという点です。相場環境がよければ、1年で資産を3倍、5倍、10倍にすることも夢ではありません。


もう一つのメリットは、空売りができることです。株価は常に上昇するわけではありません。下落することも当然ありますし、マーケットの環境が悪ければ、何年もの間、株価が下げ続けることもあります。そんな時、株を買って利益を得ようとしても物理的に極めて困難ですが、株を売って安くなったところで買い戻すことで利益を得るのは十分可能です。


この、持っていない株を売って安く買い戻して差額の利益を得ようとすることを「空売り」と呼び、信用取引を用いないと行うことができません。一方で、信用取引にはリスクがあります。最大のリスクは、レバレッジがかかることにより利益だけではなく損失も増幅してしまうことです。


先の例で、30万円の資金で30万円の株を買い、それが30%下落したとします。すると30
万円×30%=9万円の損失となり、これは投資資金30万円のうちの30%にあたります。もし信用取引を使って30万円の資金で100万円分の株を買い、その株が30%下落したらどうなるでしょうか?

 

損失は100万円×30%=30万円です。資金は30万円しか持っていませんから、買った株の株価が30%下落すると、投資資金の全額を失ってしまうことになります。

信用取引でこれだけは注意すべき点とは?

このように、信用取引でレバレッジをかけた取引をすると、うまく行った場合は大きな利益を得られますが、想定と逆方向に株価が動いた場合、大きな損失を被ることになります。場合によっては投資資金の全額、最悪の場合はそれでもカバーできず、証券会社に対して借金が残ることもあります。


そうならないようにするためには、「レバレッジをかけ過ぎないこと」「損切りをしっかりと実行すること」の2点が重要です。レバレッジをかけ過ぎなければ、もし株価が下がったとしてもダメージは小さくなります。また、先のケースでは30%の株価下落で投資資金がゼロになってしまいましたが、10%の株価下落で損切りをしていたら、投資資金の目減りは33%にとどまります。


最悪の事態を避けるためには適切なタイミングでの損切りが絶対に必要になります。
「私は損切りに自信がない……」という方は、信用取引は控えた方がよいでしょう。

次ページ下落相場で「順張り」と「逆張り」、どちらが有利か?

※本連載は、足立武志氏による著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』(扶桑社)より一部を抜粋・再編集したものです。

お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書

お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書

足立 武志

扶桑社

楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で人気連載を持つ著者が伝授。 投資でお金をしっかり増やせる人になるために、新NISAが始まったいまだからこそ読みたい株式投資の教科書。 2024年2月22日、日経平均株価がそれまで…

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