成功している投資家を参考に自分なりの投資手法を確立する
最後に、自分自身に合った投資手法を確立することが重要です。つまり、「株価がこうなったらこう行動する」とあらかじめルール化しておくことです。これをおろそかにして軸がしっかりしないまま株式投資を続けると、マーケットの動きや専門家のコメントに振り回され、結局は大きな失敗をしてしまいます。しっかりとした投資手法を確立できていれば、どんな相場が到来しても適切に対処することができるため、大きな失敗を避けることができます。
具体的にどうすればよいのか分からなければ、「成功している投資家」の投資手法をお手本にしましょう。株式投資に関する書籍はいくらでもありますし、著名な個人投資家のブログ等を読むのも勉強になります。筆者のコラムや書籍等を参考にしていただいても結構です。
なお、いくら「成功している投資家」といっても、自分自身では実行が難しいような投資手法を無理に行おうとしても、うまく行かないことが多いですから注意してください。例えば、筆者は、「投資の神様」といわれる米国の有名投資家ウォーレン・バフェットの投資手法を個人投資家が真似することは非常に難しいと考えているため、参考にはしていません。
ところで投資手法、つまりどのような銘柄に投資するか、どのタイミングで売り買いを行うかというのは、実は正解は一つではありません。現に筆者の周りの成功している個人投資家は、投資している銘柄も売買のタイミングもそれぞれバラバラです。
要するに、人によって、自分自身に合った投資手法は異なるということです。ですから、「成功している投資家」の投資手法をそのまま鵜吞みにするのではなく、いろいろと試したうえで、最終的に自分なりの手法を作り上げていってください。
ちなみに筆者は、毎期増収増益を続ける好業績銘柄や、業績の急回復が期待できる銘柄、景気やマーケットに連動して業績や株価が変動する銘柄に投資することが多いです。そのうえで、株価のトレンドを重視し、ウォッチしている銘柄が上昇トレンドに転じたら買い、下降トレンドに転じたら売るようにしています。
●ウォーレン・バフェット 株式投資で21兆円以上の資産を築いた米国一の著名投資家で、「投資の神様」とあがめられています。同氏の手法は、株式市場で割安に放置された高収益企業の株を長期保有するスタイル。株式市場全体が大暴落するような非常事態のあと、底値で買うことを好みます。コカ・コーラやアメリカン・エキスプレスなどが有名な投資先です。
●増収増益 企業の売上高が前年度よりも増加し、企業の上げる利益も前年度比で増加すること。企業の利益には、本業での儲けを示す「営業利益」、営業利益に毎年定期的に発生する金利収入や利払いなどの損益を加えた「経常利益」、そこから、その年だけ発生する特別な損益を加減した「税引き前当期純利益」、その利益から納める税金(法人税、住民税、事業税など)を差し引いた最終的な会社の利益「(税引き後)当期純利益」の4つがあります。
足立武志
足立公認会計士事務所代表 公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー 株式会社マネーガーディアン代表取締役