相続で司法書士に依頼できないこと
前述の通り、司法書士には多くのことを依頼できますが、一部、業務範囲外のため次のようなケースでは司法書士に依頼することはできません。
相続税の申告
相続税の申告など税金関連は税理士の業務範囲であるため、司法書士は扱うことができません。
しかし、司法書士でも一般的な相続税の制度の説明をすることはできます。また、相続業務を数多く受託している司法書士事務所であれば、相続税の申告が必要な場合は提携税理士と連携してくれることが多いでしょう。
相続紛争の代理人
相続であっても、相続人同士で争いがあるケースでは、司法書士が対応することができないため、弁護士に依頼することになります。
しかし、司法書士でも民法など相続に関する法律の説明をすることはできます。また、相続業務を数多く受託している司法書士事務所であれば、他の相続人との代理交渉や遺産分割調停・審判が必要な場合は提携弁護士と連携してくれることが多いでしょう。
司法書士に相談した方がいいケース
司法書士の業務範囲は広いため多くのことを相談できますが、特に次のようなケースでお悩みの場合は、無理に自身で解決しようとせず司法書士に相談した方がスムーズに解決できることがあります。
相続の権利関係が複雑
相続人の数が多い、相続人同士が不仲、不動産が共有状態であるなど、相続の権利関係が複雑な場合は、初期の段階で司法書士に相談すべきです。
相続関係が複雑だと、相続人・相続財産の調査の難度が高く、また、遺産分割協議が上手くまとまらず争いに発展する、という事態になりかねません。特に、相続が発生後、相続人の一部が死亡してさらに相続が発生する「数次相続」のケースでは、1回目の相続と2回目の相続を合わせて処理する必要があるため、より難易度が高くなります。
こういったケースでは、初期の段階で司法書士が関与すれば、法的な見地から的確に処理することができます。また、裁判手続きが必要な場合であっても、司法書士事務所では近接業務を取り扱っている弁護士と提携していることが多いので、必要に応じて弁護士への相談も誘導してもらえます。
財産に不動産がある
相続財産に不動産がある場合は相続登記が必要になるので、まずは「相続登記の専門家」である司法書士に相談しましょう。
上述の通り、法改正により令和6(2024)年4月1日以降は相続登記が義務となり、相続があったことを知ってから3年以内に相続登記を申請する必要があります。
また、これは過去の相続も対象となり、2024年4月1日より前に相続が発生した場合であっても、同日から3年以内に相続登記を申請することが義務となります。相続登記の申請は準備に手間がかかり、相続登記の申請書類の作成や必要書類も知識がないと難しいため、司法書士に依頼してすべて一任することでスムーズに相続登記を完了できます。
もし、途中で相続税の申告や裁判手続きが必要だと判明した場合には、適宜税理士や弁護士への相談をするという流れが効率の良い流れといえるでしょう。
生前対策をしたい
贈与・遺言・後見・信託などの生前対策が必要になる原因は様々ですが、最も多いのは「財産に不動産がある」ということだといえます。そして、不動産の相続についての取り扱い件数でいえば、相続登記の専門家である司法書士が一番多いといえるでしょう。
また、認知症などにより意思能力が減退した方の財産を守るために、裁判所から成年後見人として選任されている数で言えば、令和4年の裁判所の成年後見関係事件の概況によると、職種別では司法書士が約37%を占めるトップランナーです。
以上の理由から生前対策については、まずは生前対策に必要な業務を数多く取り扱っている司法書士に相談されることをおすすめします。
そして、生前対策についても上述と同様に、税金対策や裁判手続きが必要だと判明した場合に、適宜税理士や弁護士への相談をするという流れが効率の良い流れといえるでしょう。
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