「息子の全財産を持って、さっさとウチに引っ越してきなさい」
姑は、自分の息子の病気がわかると、女性を激しく攻め立てた。
「息子の世話をおろそかにするからこんなことになったのだ」
「あなたがしっかり面倒を見ていれば…」
「息子が病気になったのは、全部あなたのせい」
ただでさえつらい女性に向かって、姑は助けるどころか、心無い言葉をぶつけ続けた。
「夫の葬儀が終わると、姑は当然のごとく言い放ちました。〈息子の全財産を持って、けんた(仮名)を連れて、さっさとウチに引っ越してきなさい。あなたは我が家の娘で、けんたはれっきとしたうちの孫、跡継ぎなのよ!〉と…」
このひと言で、女性は夫の親族と決別する決意を固め、ある書類を準備した。
姑との関係を切る「姻族関係終了届出」
女性が準備した書類とは「姻族関係終了届出」だった。
「窓口に書類を提出したあと、息子と2人、賃貸マンションを解約していまのマンションに引っ越してきました。夫の親族には一切知らせていません」
女性と姑は姻族の関係にある。姻族とは、配偶者の両親や配偶者の兄弟姉妹などの親族のこと。この関係は、配偶者の生前に離婚した場合は終了するが、配偶者と離婚せずに配偶者が死亡した場合は継続する。
姻族関係があると、もし将来姑が要介護になったとき、女性は姑を扶養する義務が発生する。
しかし、市区町村に「姻族関係終了届出」を提出し、姻族関係終了の意思を表明しておけば、舅・姑との姻族関係は終了し、扶養義務も消滅する。
だが、姻族関係が終了しても死亡配偶者との婚姻関係がなくなることはなく、遺族年金の受給権に影響はない。相続においても、配偶者は相続人のままとなる。これらは子どもも同様で、姑が亡くなった場合、亡き息子の代襲相続人として、孫が相続人の立場になる。
なお、姻族関係終了届を提出しても、役所から親族に通知がいくことはないので安心してほしい。戸籍謄本の身分事項欄に「姻族関係終了」と記載されるため、義母がその戸籍を取得するまで、この衝撃的な事実を知ることはないのだ。
[参考資料]
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