夫婦の関係にこそ「思いもよらない可能性」が内在している
関係性において多くの方が持っているのが”夫婦間”の問題です。
分かり合えない、価値観の不一致、愛情が冷めた、その他現象はさまざまです。
外では自分の本音を取り繕うことができても、どうにも隠しきれないのが夫婦関係です。
今離婚は身の回りにたくさんある状況で、離婚がその人のマイナス要因となることも少なく、結婚の価値は低下する一方だと思います。
自分の隠した感情がいちばんあからさまになるのが夫婦の関係で、だからこそ、システムが最大限に活用できるとも言えるのです。
つまり、夫婦の関係にこそ、真実を知れば思いもよらない可能性が内在しているということなのです。
相手に求めるものも大きいですし、その分不足感も膨らみます。感情が最も出やすい相手ということは、隠されて自分では見えない自分の傷の形、思い込みのパターンなどが色濃く反映されてしまう相手ということになります。
それゆえに別れるしか逃げ道がなくなるのですが、ここで一度踏みとどまってシステムを使っていただきたいのです。
システムによって相手が何を見せてくれたのかを知ると、自分がこれまでの人生の中でうまくいかなかった大きな原因を解放することができます。
その原因こそが相手との関係を悪くしていたのですから、関係性が全く変わってしまうのです。
幼少期から親の愛を感じられずに育った人の場合
例えば、妻が幼少期から親の愛を感じられずに育ち、自分は愛される価値がないという思いを自分でも知らずに持っていたとすると、夫から「この人は私を大切に思っていない、愛されていない」ということばかりを拾って見てしまうのです。
システムでそれが理解できたとき、夫に対する見方が全く変わり、その結果、夫との関係性が驚くほど変わってしまうのです。子どももいたら子どもの問題も同時に解決して家族全体が変容するのはいうまでもありません。
以前、離婚したいからと学びにきた方に、筆者が運営するスクールの講師が「離婚をするのは自分を知ってからでもいいのではないですか」ということを言ったことがありますが、自分の反転した世界を知ったうえで離婚するなら、相手を悪く思う思考もなくなり、あとくされなくスッキリと別れられます。その結果過去を引きずることなく本当に合う相手と再婚することもできるでしょう。負のループは終わっていますからもう離婚の心配もありません。
結婚したり、子どもができたりするというのは考えたらすごい確率で出会い、結ばれた相手です。別れるにしても、やり直すにしても、その関係性からシステムを使って最大の収穫を得ていただきたいと思います。
今若い世代は、タイパ、コスパ、エネパ(時間、お金、労力のパフォーマンス)が割に合わないと考え、恋愛や結婚に気持ちが向かない人が急増しているようです。
これも少子化などの社会問題につながっているわけですが、私たちの研究結果により、この密接な関係にこそ、人間を格段に飛躍させる可能性があることが分かっています。自分を知っていくことで、”割に合わない”どころかハイリターン確実の関係性だと分かったら、結婚に対する社会的概念が変わっていくのではないかと思います。
無意識な自分の行動パターンや口癖に、隠れた思考は現れる
記事『物事がうまくいかないのは、その「思考」のせい…自分の未来を縛る「悪しきパターン」から脱却する』では、母親の心配や不安な口癖に影響を受けていた男性の話をしましたが、皆さん自身の中にも、口癖はもちろん、行動パターンの癖を持っている方がいると思います。そんなところからも、自分を苦しめている根源の原因を探るヒントが隠されていたりします。なぜなら口癖にはその人の隠した思考が表現されているからです。
例えば完璧を求めるあまりに、常に人の言動をジャッジする人、人の話をじっくり聞くことができずに、相手の話の途中で口を出してしまう癖のある人、「自分なんて……」が口癖で、常に劣等感を抱えていて、どんなときでも遠慮をしてしまう人など、さまざまな考え方の癖、口癖があります。
人の口癖は分かりやすいですが、意識したら自分も事あるごとに同じ言葉を発していることに気がつきます。怖いのはその口癖を発するたびにそれを自分で認識して強化しているということです。
そこから「なぜ自分はこんな口癖があるのだろう?」と探っていき、そのときの感情をシステムに当てはめてみることで、より深く自分を知ることができます。
例えば欲しいものが手に入らないパターンの癖として「逃げ癖」というのがあります。自分で求めて良いところまでいくと、なんらかの理由が浮上して終わってしまうのです。
どういうことかというと、それがいよいよ手に入るとなると「それを得る自信がない」「そんな資格はない」という無意識の思いが、正当性のある理由を生み出して、自ら近づいてきたものから逃げてしまうのです。
いつも○○が欲しいと言っているのに現状維持の人は、これが原因かもしれません。
松本 美登里
株式会社ミロス・インスティチュート代表取締役