(※写真はイメージです/PIXTA)

父、もしくは母の一方に先立たれ、ひとり暮らしとなった親。心配ではありますが、小さな変化にすぐさま気が付くことは難しいかもしれません。本記事では安田真奈美さん(仮名)の事例とともに、老後の後半戦に待ち構えるリスクについて、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。

認知症になっていた母

安田さんが感じていた好美さんの違和感、そして自宅がゴミ屋敷となっていた理由は認知症のためでした。

 

安田さんはなんとか好美さんの部屋を片付けようと手をつけてみましたが、片づけても片づけても減らないゴミに限界を感じ、特殊清掃の業者を呼ぶことにしました。片付けが終わるまでのあいだ、好美さんを自宅に泊め、特殊清掃の甲斐もあり、部屋は匂いもほぼ取れて、なんとか人が入れるような状態になったのでした。

 

しかし、「このまま母をひとりにしてはおけない」と、不安に思うようになり、真奈美さんはしばらく母のもとへ泊まることにしました。

 

その後はデイサービスに頼み、有給も溜っていたため、母の送迎時間の確保のため時間を遅らせて出社し、早めに退社するなどしてしばらく対応することにしましたが、有給も限られていますしいつまでもそんな生活を送ることもできません。

 

そのため、親を施設に預けることに罪悪感を感じ悩んでいた真奈美さんでしたが、好美さんを老人ホームに入れることに決めました。

 

せめて母にはいい環境で暮らしてもらいたいと、高級老人ホームへの入居を考えるようになります。

 

高級老人ホームの費用

高級老人ホームについて調べ始めた真奈美さんでしたが、その費用に驚きます。真奈美さんが調べたホームのなかには、首都圏近隣では入居費用は2,500万円、毎月の費用が数百万円にもなる施設もあり、非常に高額でした。

 

好美さんの年金は月に20万円ほどですが、真奈美さんにとっての救いは、好美さんが住んでいたタワマンが高値で売れる見込みがあり、また、父が残した遺産と合計すると1億円以上の資金を確保することができることでした。複数の施設を調べた結果、自宅から1時間半程度で通える地方の施設であれば、高級老人ホームでも入居金800万円、月額20万円程度で入ることができ、残された資産でゆとりを持って入居させることができました。

 

高級ホテルのようなエントランスや設備、個室を見て、これまで住んでいたタワマンのような高級感のある施設を見て、「ここなら母を安心して預けられる」と考え、自宅からも通いやすいために入居を決めます。

 

当初は嫌がっていた好美さんでしたが、施設が気に入ったようで無事入居することになりました。母に会いに行くための時間と費用は掛かり少々負担が増えましたが、母の幸せを手にすることができたのでした。

 

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