今回は、「ハト物件」とまで呼ばれる、荒れ果てたマンションの再生事例を見ていきます。※本連載は、不動産投資家として成功を収めている才津康隆氏の著書『CF不動産投資』(サンライズパブリッシング)の中から一部を抜粋し、「再生物件」投資で大きなリターンを得るノウハウを、具体的な物件例とともに紹介します。

債権回収会社への売却話も出ていた破たん物件

<事例2>ハト物件の再生計画

続いてご紹介したい再生物件は、通称「ハト物件」です。ハトがたくさん住み着いていたことから、この異名で呼んでいます。まずは、購入時の概要をご覧いただきましょう。

 

●建築年:昭和57年築33年

●土地:2104㎡

●建物:1537.2㎡

●構造:鉄筋コンクリート4階建24戸

●所在地:福岡県人口5万人弱の自治体

●物件価格:2950万円

●収入:年間家賃収入1296万円(満室時)252万円(購入当時)

●入居率:24戸中6戸入居

●利回り:43.9%(満室時) 19.4%(購入当時)

 

そもそもこの物件を購入することになったのは、マンモス物件の管理会社からの紹介でした。「マンモスの近くにもうひとつ、ボロボロでがら空きの物件があります」と持ち出されたのです。

 

詳しく話を聞いてみると、いわゆる破たん物件であることが分かりました。弁護士がつき、債権回収会社に売却する話が出ていたそうです。弁護士が間に入っているため、売買できない状態が半年以上続いていました。

 

私は当初他の物件を狙っていたのですが、他の方に先を越されたところでハト物件の紹介を受けたのです。「再生できれば」という条件つきではありますが、当初の物件よりも大きなキャッシュフローが見込めることから前向きに検討し始めました。

 

購入の決め手は、同エリアの賃貸需要の把握

最終的には購入に至ったわけですが、決め手はふたつありました。ひとつは、エリアの賃貸需要を把握していたことです。ハト物件は、マンモス物件から車で約10分のところにありました。すでにマンモス物件の購入と運営を通し、周辺エリアは徹底的にリサーチ済みです。これなら、効果的な戦略が立てられるはずだと確信しました。

 

もうひとつは、経験則による試算が可能だったことです。マンモス物件で再生物件の経験を積んでいたため、「この家賃で、このくらいのリフォームをすれば、このくらいの期間で決まる」とスムーズに予測できました。そのため、安心して購入に踏み切ることができたのです。

 

後者は経験者でなければ難しいですが、前者は初めて再生物件を購入する方でも意識できるはずです。再生物件を探すときは、自分が「強い」エリアに絞り込むのもひとつの方法だと思います。エリア内に物件を所有している、あるいは賃貸需要を把握できているのであれば、経験則を活かして再生計画を立てましょう。

 

もちろん、2棟目以降の再生物件を購入する方も経験則を活かせます。不動産投資では「過去問」が重要ですから、自分が導き出した答えを有効活用してください。

本連載は、2016年11月10日刊行の書籍『CF不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

CF不動産投資

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才津 康隆

サンライズパブリッシング

不動産投資の第1の目標は「キャッシュフロー1000万円」。そのステージに達するためにはどうすればいいのか。そのステージに立てた後はどう行動すればいいのか。 日本最西端の離島で単身不動産投資にチャレンジし、2年半で家賃…

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