今回は、不動産投資の基礎を学び、ある程度の経験を積めば再生物件への投資にチャレンジするべきだとする理由をお伝えします。※本連載は、不動産投資家として成功を収めている才津康隆氏の著書『CF不動産投資』(サンライズパブリッシング)の中から一部を抜粋し、「再生物件」投資で大きなリターンを得るノウハウを、具体的な物件例とともに紹介します。

再生に成功すれば、立派な「実績」になる

再生物件の運営について、少しでもヒントを得ていただけでしょうか。すでに再生物件を所有している方も、今後の運営を検討している方も、本連載でご紹介した3つの事例を役立てていただければ幸いです。

 

再生物件は、普通の人が手を出さないぶん比較的競争率が低いです。そのため安く購入できることは、私の所有物件の概要からも分かると思います。事例3でご紹介した利回り70%超の物件が1400万円で落札できるほどですから、再生に成功したときの利益の大きさは言うまでもありません。

 

また、再生に成功すると金融機関内での評価も上がります。金融機関からの評価の重要性は、本書を通して何度も説明した通りです。金融機関からプラス評価を得ることができれば、次回以降の融資のハードルも下がるでしょう。

 

不動産投資において、再生の成功は立派な「実績」になります。そういった意味でも、再生物件はぜひおすすめしたいところです。

 

ただ、もちろんいいことばかりではありません。再生には非常に手間がかかりますし、再生期間中はキャッシュフローがマイナスになってしまいます。リフォーム費用の見積もりを誤れば、シミュレーション通りの利回りも出せなくなるでしょう。

 

再生物件は大変魅力的ではありますが、成功したときのリターンが大きい一方で、失敗したときのダメージも大きいです。複数棟を所有してキャッシュフローを増やし、大規模修繕やリフォームの経験を積んでからチャレンジするといいでしょう。

再生物件という「お宝」に出会えるチャンスを増やす

とはいっても、再生物件は絶対数が少なく、狙って見つけられるものではありません。私自身、業者や知人から偶然情報を得て動き出すケースがほとんどです。巡り合うことができたらラッキーな「お宝」のようなものといえます。

 

しかし、選択肢のひとつとして持っておくことで、再生物件に出会えるチャンスは増えます。付き合いのある業者や知人に再生物件に興味があることを伝えておけば、情報が入ったときに教えてくれるかもしれません。また、再生物件の購入を視野に入れてキャッシュフローを蓄えておけば、いざ「お宝」に巡り合えたとき即行動することができます。

 

もちろん、事前にしっかり再生物件について学習しておくことも大切です。大規模修繕やリフォームはもちろん、実際に再生物件を所有している人に相談してもいいでしょう。再生物件でも、「過去問」は大いに役立つものです。

 

今回は、私の「過去問」を3つご紹介させていただきました。うまくいった点、反省点を含め、実際の運営に役立つ内容をできるだけまとめたつもりです。

 

もちろん、そのまま真似れば成功するというものではありません。物件によって状況は異なりますから、ベストな対策も変わってきます。この「過去問」をどれだけ上手に応用できるかが、不動産投資家の腕の見せ所なのです。

 

ただ、再生物件にチャレンジできる中級者以上の方であれば、不動産投資の基礎はしっかり理解できているはずです。基本に忠実に、かつ臨機応変な判断力をフルに発揮しながら、再生を成功させていただきたいと思います。

本連載は、2016年11月10日刊行の書籍『CF不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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