880万円でトータルのリフォームを実施
前回の続きです。
【トータルリフォームのコスト】
屋上防水工事:187万7500円
共用部鉄部塗装:26万2500円
室内塗装:13万6500円
火災報知器修理:47万2500円
室内リフォーム等:475万4216円
電気工事:11万5500円
貯水槽清掃:9万8700円
浄化槽清掃:4万2000円
室内清掃:38万円
雑工事:70万円
◆合計:880万7916円
●リフォーム工事の内訳
まずは、最終的にかかった再生コストです。上の表が、再生工事にかかった総額になります。この物件は全体的に老朽化していたため、トータルのリフォームを行いました。規模の差はありますが、マンモス物件は4600万円、ハト物件は3500~4000万円の再生コストがかかったことを考えると、かなりコストが抑えられていることがお分かりいただけると思います。
では続いて、内訳を見ていきましょう。
【オーナールーム(1室)】
クロス貼替:16万円
床貼替(CF):30万円
室内塗装:3万円
トイレ交換:5万円
洗面化粧台取替え:5万円
室内清掃:12万円
エアコン交換(埋込型含む):40万円
雑工事:10万円
◆合計:121万円
【1R(10室)】
室内塗装:1万5000円
クロス貼替:2万6400円(800円×33㎡)
床貼替:5万1000円(2000円×23㎡)
エアコン設置:5万円
流し台交換:3万4000円
雑工事(テレビドアホン等):2万円
雑費(ガチャ棚、物干し等):1万円
室内清掃:3万円
◆合計:23万6400円≒約25万円×10室=250万
【2LDK(1室)】
室内木部塗装:1万5000円
キッチン取替え(ラクエアL型):20万円
クロス貼替:8万円
ドアホン設置:1万5000円
エアコン設置:7万5000円
洗面化粧台取替え:5万円
室内清掃:4万5000円
◆合計:48万円
常に念頭に置きたい「費用対効果」の観点
内訳をご覧いただくと、全体的にコストが低いことがお分かりいただけるでしょう。というのも、今回のリフォーム工事は工務店などを通さず、個別発注を実施したからです。本連載の第5回で説明した通り、再生コストの削減は効率的な運営につながります。そのため、今回は発注方法に工夫を凝らし、コストダウンを図ったのです。
結論から申し上げると、再生コストは抑えることができました。しかし、目標が達成できたかというと頷けません。
個別発注だと、私自身が現場監督のようなポジションになります。しかし、私は工事に関しては素人ですから、段取りがうまくいかなかったのです。工事完了まで余計な日数を費やしてしまい、物件取得から募集開始まで約3ヶ月の期間がかかってしまいました。
この規模の物件であれば、工務店などに発注すれば1ヶ月程度で工事を完了できた可能性が高いです。個別発注によって経費は節約できたものの、時間的なロスが大きくなるという結果に終わってしまいました。工事はもちろん私自身の拘束時間も長くなり、かなりの無駄が生じてしまったのです。
この物件を購入したのは8月で、幸いにも繁忙期は回避していました。しかし、今回の募集状況のデータから繁忙期を逃した場合、かなり客付けに苦戦したことが予想できます。物件の規模、費用対効果などを考慮する必要はありますが、コストはかかっても業者に任せたほうが、結果的には費用対効果が高くなる可能性が高いのです。