ヒアリングの結果から家電付きプランを導入
前回の続きです。
続いて、いよいよ客付けの段階です。先ほども少し触れましたが、この物件を購入したのは8月上旬で、リフォーム工事が完了するのは11月上旬でした。そのため、工事完了より少し早い10月末から募集を開始したのです。
しかし、なかなかうまくはいきませんでした。内見は月に数件入るものの、成約には至りません。12月に入ってから、ようやく1Rが1室埋まるくらいのペースだったのです。
満室には程遠い状態でしたが、客付けのコツは必ずあるはずです。1月中旬まで、データを取りながら様子を見ることにしました。
そして1月末、私は集めたデータをもとに、仲介業者に再度のヒアリングを実施しました。すると、敷地内駐車場の数が足りないことが募集の障害になっている可能性があること、家電付きプランの需要があることが分かったのです。
私はすぐに外部駐車場を8台確保し、家電付きプランを導入しました。すると、2月中旬から成約率が上がり始めたのです。毎週2室以上決まるようになり、3月下旬には満室を達成することができました。
募集から約5ヶ月で満室、実質利回りは41.6%
18室中13室が空いている状態から、募集を始めて約5ヶ月で満室にすることができたのです。
満室を達成したことで、この物件の年間家賃収入は1000万円になりました。リフォーム費用込みの物件価格は2400万円、実質利回りは41.6%ときわめて高くなっています。返済額や運営コストを差し引いても、キャッシュフロー700万円弱という優良物件に生まれ変わったのです。
とはいえ、反省点はあります。家電付きプランの導入、外部駐車場の確保はもっと早い段階で実施すべきでした。また、繁忙期と同時に2つの対策を実施したため、これらの対策がどれだけの効果をもたらしたか確認できなかったのです。やはり事前のヒアリングは徹底的に行い、エリアの需要を把握すべきだということを痛感する結果となりました。
中級者以上向けと銘打った通り、再生物件の運営は簡単ではありません。しかし、不動産投資の基本をしっかり押さえて工夫をすれば、大きなリターンが見込めます。みなさんも1棟1棟から多くのことを学び、不動産投資家としてステップアップしていただきたいです。