前回は、フィリピン不動産の購入代金支払いで発生しやすいトラブルを説明しました。今回は、特に注意したい「工期の遅れ」について見ていきます。
工期が遅れてしまう原因はさまざまだが・・・
プレビルド物件では、工期が遅れることも多々あります。デベロッパーの契約書をすべて確認していますが、だいたいの契約書には「工期の遅れは、1年間は見てください」と書いてあります。工期が遅れてしまう原因は、天候不順や部材の調達不足、日雇い労働者の人員不足など、問題が多くあります。
しかし先日友人が購入した物件で驚いたのは、2015年12月の完成予定のものが、1年も早い2014年12月に完成していたのです。実は販売した現地フィリピン人ブローカーが竣工日を勘違いしていたのです。このように現地に住んでいても、情報を得られないこともあります。
私たちが別のお客様の案件で、たまたま該当物件へ出向いたところ、「このコンドミニアムは完成しているのでは?」と気が付きました。至急デベロッパーに問い合わせをしたところ、やはり物件は完成しているとのことでした。すぐさま鍵の受け渡しをするため、管理費3カ月分を用意して、直接支払いに行きました。
受付で「オフィシャルレシート(Official Receipt)」(税務局から発行された正規レシート)を出して「鍵をください」と言うと、「今日はできません」とのことです。
状況によっては取り返しのつかないことに
これは、作業の遅さもありますし、金銭管理を決まった人のみが行っているという、フィリピンならではの事情があります。誰でも発行できるわけではない場合もあるのです。結局、6月に物件引き渡しとなりました。管理費の滞納は2カ月分で済み、こちらでその分を立て替えました。
このように支払いの準備をきちんと整えていても、知らないうちに滞納してしまうこともあるのです。今回は一括払いだったので大丈夫でしたが、ローン払いであればアウトでしょう。状況によっては、ペナルティがかさんでしまったり、最終支払い期限が過ぎてしまい、取り返しのつかない状態になっているケースもあります。
フィリピンの不動産投資は、日本では考えられないような課題が多くあるのです。
GSR株式会社 会長
zukky PTE CEO
Gate of Assets Fundation director
一般社団法人フィリピンアセットコンサルティング 主席コンサルタント
1979年、愛知県生まれ。大原簿記専門学校卒業後、アパレル会社での勤務をへて、2000年、同業種で独立。同年自社ブランドを立ち上げ、卸、直営店舗を展開。その後、海外生産拠点を背景にOEM事業を開始。2005年にフィリピンに行き、1人のタクシードライバーに人生の生き方を考えさせられ、同地にて為替&アテンドビジネスをはじめ、もともとの事業を売却。その後、2007年にコンサル会社、2009年にPR会社を設立。2010年にフィリピンでオフショアのシステム会社が開発するフィリピン最大規模のITプラットフォーム事業へ投資。ハンズオンでビジネスの拡大の活動を続け数十の新規事業の立ち上げに貢献。2006年より子供たちの支援なども積極的に行いその功績により2022年にフランスの社会文化奨励勲章を受勲。
2014年にHallohallo Home incの事業構築サポートを行う中で、不動産売買仲介、管理、リーシング、内装、建築、ストリートチルドレン復学プログラム、人材派遣等、日本とフィリピンの双方にメリットのある事業が重要だと痛感する。フィリピン人や現地の弁護士、税理士、色々な人材に騙された事で自身で学びフィリピンでの成功パターンを習得したのだが、唯一不明だった現地の経済を動かす巨大財閥との付き合いにより、ほとんどの日本人の資産保全の思考が間違っていることに気が付く。2019年以降はシンガポールとフィリピン、アメリカ、イスラエル、フランスを中心に富裕層を対象にしたビジネスを構築。
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連載「フィリピン不動産投資」が資産形成に最適な5つの理由
ハロハロホーム マニラ本社
Director
ハロハロホームは、フィリピンのメトロマニラ首都圏のビジネス中心地マカティ市に本社を構え、フィリピン不動産投資や、フィリピンの土地販売を手がける企業。賃貸仲介サイトの運営、不動産管理、メンテナンス、内装、転売のサポートなど、購入・管理・売却まですべて対応できる強みを持つ。
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