(※写真はイメージです/PIXTA)

共働きで働いてきたから年金は十分。老後資金はばっちり。そう思っていても、家族関係の変化によって老後破産の危機に陥ることも……。本記事ではSさんの事例とともに、我が子が老後の家計におよぼす影響について、社会保険労務士法人エニシアFP代表を務めるFP三藤桂子氏が詳しく解説します。

老後破産を回避するために

長女を呼んで家族会議をすることにしました。Sさん夫婦は老後を2人で穏やかに過ごしたいだけなのだと伝えます。

 

2人で退職するまでに貯めた資産は、自分達の介護に使い、残った財産は、2人の姉妹で等分にわけるよう遺言書を作成していることを伝えます。娘たちには苦労を掛けたくないという親心ももちろんありますが、散財するような次女には遺産は渡したくないと言い渡します。

 

ただ、次女の話を聞いてみると、夫が育児に非協力で子育てのストレスから散財することで発散していたことがわかり、精神的に不安定だったようです。次女は謝り、心療内科を受診しながら、仕事を探すと言ってくれました。事情がわかった妻は、次女が立ち直る手助けをします。

 

老後破産は想定外に突如起こり得る可能性がありますが、早くにコミュニケーション(家族会議)をとることで、回避することも可能です。ときには第三者に介入してもらうことも必要かもしれません。早期の対応を心がけましょう。

 

 

三藤 桂子

社会保険労務士法人エニシアFP

代表

 

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