海外投資家の増加が目立つドイツの不動産市場
ドイツの不動産市場動向を分析すると、2014年と比較し、2015年は海外投資家が増加していることが分かります。特にアジアからの投資家の間でドイツ不動産の注目度が高まっており、ドイツ不動産市場において行われる国際取引の数は、今後さらに彼らによって引き上げられることが予想されます。
ドイツ不動産市場への投資が、数と規模の両方で勢いを増している背景には、極めて低く維持されている金利水準があります。投資家たちに「金融株式市場では満足できる利益が上げられなくなっている」という実感があるため、今後はさらに不動産投資への資産転換が図られると見られています。
その経済的安定性が基盤となり、ドイツは、魅力的な不動産投資先として、海外からの投資家を引き寄せる吸引力を持続するでしょう。
ドイツ経済の生み出す数値的実績は非常に優秀で、特に他のヨーロッパ諸国と比べると、その違いは歴然です。以下にご案内するように、なかでも住居用不動産に対する注目度は、特にベルリンにおいて、これからも着実に上がり続けることは必須です。
さて、住居用不動産物件についですが、需要が多いのはプレミアム・ロケーション(高級物件が多く人気の高い地域)だけではありません。こういったロケーションの物件価格は高すぎると判断する投資家が増えており、物件探しは、中心部から一歩外の、より広い範囲へ移行する傾向にあります。
ベルリンの価値と魅力を底上げする新進企業たち
「スタートアップ」といわれる、新しいビジネスモデルを掲げ、短期間の急成長を狙う企業の多くは、ドイツにおいてはベルリンをハブ(中心地)としています。
ベルリンは、ヨーロッパ中から創造力に溢れた人材を引き寄せる磁石のような場所であり、スタートアップビジネスにとって、ドイツ国内でもトップロケーションだとされています。また、Ernst & Youngの調査によると、ベルリンはロンドンに次ぎ、ヨーロッパ内のベンチャー企業投資先上位に入っており、この動きは不動産市場にも反映されています。
またスタートアップは、この街に魅力的な新規雇用を生み出す大きな役割を果たしています。これまでは、低家賃での賃貸が可能だった街の中心部に活動のチャンスを見出していましたが、家賃が上昇するにしたがい、中心部の外へ会社を移動させる動きが始まっています。つまり、働く場所、住む場所として中心部以外の地域の価値が増してきたのです。
魅力的な働き先と、ドイツの他都市より安めの家賃。これがベルリンの人口増加につながっています。Berlin-Brandenburg Housing Enterprises (BBU) の調べでは、2013年から2014年の前半にかけ、人口は約41,600人増加しています。
この急激な人口増加に住宅数が追いついていないため、不動産価格と家賃は引き続き上昇を続けるでしょう。すなわち、キャピタルゲイン、インカムゲイン双方に非常にポジティブな影響をもたらします。ベルリンのvdpResearch社の調べでは、2014年、住居用不動産価格は7.4%上昇しており、2015年を通して引き続き約7パーセントの上昇が見込まれています。
今、ベルリンで最も成功しているスタートアップをご紹介します。
1. GetYourGuide
世界中のありとあらゆるアクティビィのチケットが申し込めるプラットフォーム。
2. EyeEm
写真共有アプリ供給会社。著作権と写真家の意思を尊重する姿勢が好評を得、世界中で1,300万人以上が利用している。
3. Wooga
モバイル端末向けゲームのデベロッパー。Facebookプラットフォームで第5位のユーザーを誇り、その数は月5,000万人にのぼる。
ベルリン南西部に誕生した「ドイツ版シリコンバレー」
「ドイツ版シリコンバレー」とも呼ばれているアドラースホーフ・エリアは、ベルリン南西部に位置し、約15年前から活発な開発が行われている地域です。
「科学・経済・メディアの街」として発展途上にあり、現在950以上の企業と1万5000人の就業人口を誇るドイツ最大級のハイテククラスターを形成しています。研究施設のほかにも、生活に必要な店舗、ホテル、レストランなどの商業地区、広大な公園、居住地区があり、今後さらなる拡大が見込まれています。