300日がボーダーライン…離婚後、まさかの「妊娠」が発覚!「戸籍・養育費」はどうなる?【弁護士が解説】

300日がボーダーライン…離婚後、まさかの「妊娠」が発覚!「戸籍・養育費」はどうなる?【弁護士が解説】

さまざまな事情から離婚という決断を下したあと、予想外の「妊娠」が発覚するというケースもあるでしょう。当然、離婚に至るまでは夫婦の関係があるため、妊娠の可能性もあるわけですが、当事者としては、なにから考えればいいのか、立ち止まってしまうのではないのでしょうか。本記事では、離婚後に妊娠が発覚した場合における戸籍、親権や養育費などについてAuthense法律事務所の弁護士白谷英恵氏が解説します。

離婚後の妊娠と慰謝料は関係ない

それでは、離婚後に妊娠が発覚した場合、相手に慰謝料は請求できるのでしょうか。

 

結論としては、要件を満たせば慰謝料請求を行うことができます。そもそも、離婚の慰謝料は、離婚により当然に支払われるべきものではありません。

 

離婚を巡って、互いが精神的に傷つくこともあるでしょう。この「傷ついた」という損害に対して支払われるのが慰謝料なのです。

 

また、ただ傷ついただけでは請求しても認められません。相手の不法な行為で、自分が精神的・肉体的に傷ついたという関係性が必要です。

 

このように慰謝料とは「不法行為による損害賠償(民法709条)」ですから、上記の要件に該当するような事実がなく、ただ離婚後に妊娠が発覚しても、その事実だけでは慰謝料は認められないでしょう。

 

ただ、離婚後に妊娠が発覚した場合、一般的に考えれば、その後、子どもを産んで一定の期間は子育てのため、働けなくなるでしょう。事実上、育児休業ができるような環境で働いている場合は別ですが、それが難しいケースもあります。

 

とすると、離婚後一人で生活できると想定していた事情が変わります。一人で自活できない場合に、実務では財産分与の中に扶養的という意味合いを込めて、通常の割合よりも多い財産分与を行うことがあります。

 

そのため、財産分与などについては、再度交渉の余地があるかもしれません。

ひとりで悩まない

離婚後に妊娠が発覚した場合、これからの生活に対して不安を感じるのは当然です。ただでさえ、妊娠、出産と、肉体的にも精神的にも心配すべきことがあるうえ、支えてもらうはずだった人が離婚によりそばにいないからです。

 

しかし、まずは冷静に落ち着いて、将来のことを考える必要があります。

 

これからは自分ひとりではなく、子どものことも考えて、さまざまなことを決めていくことが重要です。そのためにも、離婚条件について見直すべきところがあるもしれません。早期に弁護士などの専門家に相談をして、必要なアドバイスをもらうことをお勧めします。

 

 

白谷 英恵

Authense法律事務所

 

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