上海総合指数の大幅下落…中小型株が主導で売られたワケ
なぜ中小型株が下落したのか。ヒントは、中国証券監督管理委員会(CSRC)が株安後の16日深夜に行った(とされる)記者会見の中にある。
当局は、配当基準を満たさない企業が上場廃止リスクの高いST銘柄に指定されるとの懸念について、今回の政策の対象は「配当の能力があるのに長期間無配、或いは低配当性向の企業だ」と説明。上場廃止規則の修正についても「小型株をターゲットにしたものではない」とあえて強調した。
今回の「意見」をきっかけに浮上した中小型株への懸念を払しょくした形だ。
株主還元の強化と言えば聞こえはいいが、「配当せよ!」という無理強いにも捉えられかねない政策。株価がネガティブに反応したため、慌てて釈明してきたのだろう。いつもながらのドタバタ劇である。
最初から分かりやすく説明しておけばいいのに…現地駐在員のホンネ
当局と市場との対話は一筋縄で行かないのは世の常。「上からの押し付け政策」が多い中国では、双方のコミュニケーションが難しく、時として誤解を招きやすい。
「最初から分かりやすく説明しておけばいいのに」と思うこともしばしばだが、いずれにせよ中国株式市場は政策の意図や市場の反応を読みながらウォッチし続けるしかない。これがまた困難を極めるのだが。
奥山 要一郎
東洋証券株式会社
上海駐在員事務所 所長
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