(画像はイメージです/PIXTA)

空いた実家は売るよりそのまま貸す方がオススメなのだと、不動産投資家で空き家再生コンサルタントの吉原泰典氏は言います。一体、なぜなのでしょうか? ご紹介していきます。※本連載は、吉原泰典氏による著書『「空いた実家」は、そのまま貸しなさい』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・再編集したものです。

リフォームの見積もりが高すぎる

もう一つマスコミの話をさせてください。2023年5月29日のNHK「クローズアップ現代」では、「急増! “なんとなく空き家”どうなる税負担! 強制撤去も!?」というタイトルで空き家特集をやっていました。

 

空き家法の改正案などを紹介し、従来の「特定空家等」に加えて「管理不全空家」という新しいカテゴリーができたこと、市区町村が空き家対策に向けて活動する民間法人をバックアップしていく動きがあることなどが取り上げられていました。

 

翌朝のNHKニュースでも一部の内容が再度放送され、社会全体で空き家をどうするのかという動きがいよいよもう一段加速するのではないかと感じました。

 

ただ、この番組で私が気になったのは、都内で古くなった実家を貸そうと思ったけれど、業者に相談したらリフォーム費用が1,500万円かかるから諦めましたというケースが紹介されていたことです。

 

普通の人はリフォームに1,500万円かけて貸すか、それとも売ってしまうかと言われたら、ほとんどは売ってしまうほうを選ぶのではないでしょうか。

 

しかし、そもそも普通の一戸建てで1,500万円もかかるリフォーム工事というのはどのようなものなのでしょうか。詳細まではわかりませんが、壁や天井のクロスを張り替えたり、床のフローリングを補修したり、屋根と外壁の塗装をやり替えたりしても、そこまでかかるとは思えません。

 

可能性があるとしたら、耐震補強工事が含まれているケースです。耐震補強工事を行うとなると、壁を剥がして新たに耐震壁をつくったり、基礎と土台、土台と柱などを金物で緊結したり、かなり大がかりな工事になり、それだけで数百万円かかります。

 

深読みすると、リフォームに高額の費用がかかるということを強調し、建物を売却したり取り壊したりするほうへ誘導していると言えなくもありません。実際、不動産会社にとっては商売のタネとなる物件(土地や建物)を仕入れる絶好のチャンスなのです。

 

実はそこにもう一つ選択肢があります。それが必要最低限の整理とハウスクリーニングだけして貸し出すという方法です。誰も住まなくなった実家を相続した人にとって、ここは一旦落ち着いて考えてみるべきです。

 

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「空いた実家」は、そのまま貸しなさい

「空いた実家」は、そのまま貸しなさい

吉原 泰典

ダイヤモンド社

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