旅するように働き、稼ぐ。リゾート地での仕事を通じて、そんな生活を満喫する人たちがいる。サラリーマンを卒業して精神的に豊かな暮らしを取り戻した人、勤務したリゾート地が気に入って移住してしまった人。リゾート地での仕事を転々としながら日本一周を目指すインフルエンサー。旅するように働く人たちの形は様々だ。この連載では、リゾートバイトを通じて精神的にも金銭面でも豊かな生活を目指す人たちを紹介していく。第八回目は、社会人経験からリゾートバイトを経て、念願の宿泊業で正社員になり、副支配人にのぼりつめた47歳の男性を紹介する。
アイデアをいかし、売店の売上高を全国3位に押し上げ
アイデアマンの松尾さんは、旅館で働き始めるとその才能を徐々に発揮し始めます。当時のその旅館の課題は、売店の売り上げが伸び悩んでいることでした。
そこで松尾さんは夜7時から10時まで販売価格を10%オフにする「タイムセールス」を導入。旅館のロビーを有効活用するため、売り場面積も3倍に拡大しました。さらに飛騨地方で昔から作られている猿の赤ん坊の形をした「さるぼぼ」のTシャツを売り出したところ、多くの外国人が購入してくれました。
この結果、高山桜庵の売店の売上高は、運営会社が全国に展開する宿泊施設の売店で上位3位にまで上昇しました。
夏場には宿泊者を対象とした縁日を企画したこともありました。旅館の敷地内の駐車場に出店をして、綿菓子やビールなどを販売したところ、約300人の宿泊者のうち100人以上の方々が参加してくれたそうです。
「特に子供たちが喜んでくれて、嬉しかった。とにかく仕事が楽しく、充実していた」と松尾さんはリゾートバイト時代を振り返ります。「どんな仕事でも、お客様を喜ばせるのが大事」と実感したとも言います。
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1996年慶大卒、日本経済新聞社に入社。東京本社の社会部に配属される。その後、小売店など企業担当、ニューヨーク留学(米経済調査機関のコンファレンス・ボードの研究員)を経て東京本社の経済部に配属。日銀の量的緩和解除に向けた政策変更や企業のM&A関連など多くの特ダネをスクープした。シンガポール駐在を経て東京本社でデスク。2018年に東証一部上場のBtoB企業に入社し、広報部長。2019年より執行役員。2022年からジャーナリストとして独立。
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連載アフターコロナ時代に「旅するように稼ぐ」という働き方