「母親の夢」を叶えられて大満足の長男だったが…
都内の大手企業に勤めるAさん(50歳)。このたび、父の相続で受け継いでいた株式を売却し、多額の利益を得ることができました。
大手企業で順調にキャリアを歩んできたAさんの年収は1,200万円ほど。Aさんには子どももおらずお金には困っていなかったため、この売却益を“最後の親孝行”として、母(Bさん)のために使おうと決意。以前実家に帰った際、テレビの高級老人ホーム特集をみながら「海が見えていいわねえ。こんな素敵なところに住んでみたかったわ」と母が言っていたことを思い出しました。
81歳のBさんは心身に不調なく、介護は特に必要ありませんでしたが、長男であるAさんが中心となって家族で話し合いました。
その施設は高級なだけあって、入居一時金は約1億円。家族は入居一時金の額を聞いて驚きましたが、Aさんが「俺が親父からもらった株の売却益で賄える」と粘り強く説得したことで、それならと承諾。また、月々かかる生活費は30万円ほどで、基本はBさん自身の年金と預金を切り崩しながら、場合によってはAさんも金銭を援助することになりました。
「会員制リゾートホテル」がコンセプトの施設は、ガラス張りで海が一望できるゴージャスなダイニングに、フィットネスルームや温水プールといった設備も整っており、文句のつけようがない素晴らしい環境です。
「これから毎日こんなに素敵な場所で暮らせるなんて」と感激。そんな母親を見て、Aさんも大満足でした。
ある日、税務署から1本の不在着信が…Aさんが折り返すと
Bさんの入居から3年後、Aさんのもとに税務署から1本の連絡が入ります。
着信履歴に残っていた見知らぬ番号を調べたAさんは、「税務署? 確定申告はしたことないし、会社の年末調整でいろいろ済んでるはずだけど……俺なにかしたかな?」と不思議に思いました。
早速折り返して話を聞いたところ、電話口の税務署職員から衝撃の事実を告げられたのです。
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