医師が抱える「こんなリスク」
ちなみに、少し専門的な話になるが、かつての医療法人には「出資持分」という株式会社の株式に相当する財産があった。出資持分の評価額が知らぬ間に跳ね上がり、膨大な相続税が課されてしまうのは、現に今医療界で起こっている事実だ。
しかし、平成19年度には出資持分ありの医療法人の設立が、「医療法人の非営利性が保たれない」として認められなくなった。では一体何が起こるのかというと、医療法人の解散時の残余財産は、「国や地方公共団体などに帰属してしまう」のだ。
勤務医時代に膨大に働き貯めたお金+融資で、ようやく自分のクリニックを開いたとしても、相続対策を万全にしなければ、これだけのリスクがある。「高給取り」と一言でいってしまえばおしまいだが、その背景には、これだけの事実が潜んでいる。
勉強詰めの学生時代に、社会人以降は仕事に忙殺される日々。彼らを支えているのは、「社会的大儀」か、「お金」か。どちらのために働いているにせよ、一般市民にとって、欠かせない大切な存在であることは間違いない。コロナ禍という未曾有の事態を経験した上に、高齢化も進み、ますます医師の需要が高まっていくなか、待遇や環境について改めて考える必要があるのではないだろうか。
\1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
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