高学歴でも“あえて非正規” 「働くために生きるのは嫌」年収200万円の娘の人生プランにバブル世代の父絶句 #令和に働く #令和の子

高学歴でも“あえて非正規” 「働くために生きるのは嫌」年収200万円の娘の人生プランにバブル世代の父絶句 #令和に働く #令和の子
(※写真はイメージです/PIXTA)

「安定を求めて正規雇用」という考え方は、ひと昔前の話になりつつあります。不確実性の時代である昨今は、「あえて非正規雇用」を選ぶ人も増えています。自由な働き方に、プライベートも充実……理想を叶える若者たち。一方で、異なる世代の考え方からは、理解しがたいものがあるようです。本記事では慶應大学卒業後、一度は大企業に就職するも、現在は非正規雇用者として働く斉藤彩さん(仮名/25歳)へのインタビューから日本の非正規雇用の実態を紐解きます。また、インタビュー内容をもとに、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の川淵ゆかり氏が非正規雇用者の社会保障制度について解説を加えます。

非正規雇用者の現状

総務省『労働力調査 2023年(令和5年)平均結果』から、非正規雇用者の現状をみていきましょう。

 

同調査によると、2023年の雇用者は6,076万人。前年比で22万人増えています。そのうち役員を除く正社員は3,615万人で前年比18万人増、非正規社員は2,124万人で前年比23万人増という結果となっています(図表1)。

 

出所:
[図表1]正規雇用労働者と非正規雇用労働者の推移 出所:総務省「労働力調査」

 

非正規雇用の年齢別の推移は図表2のとおりですが、図表3をみると、正社員としての仕事がなくて非正規雇用で働いている人(不本意非正規雇用)の割合は年々減少傾向となっていることがわかります。2023年における不本意非正規雇用の割合は、非正規雇用労働者全体の9.6%で、10年前の2013年と比較するとおよそ半数近く減っています。

 

つまり、自ら非正規雇用者でいることを選んでいる人が増加しているのです。

 

出所:
[図表2]非正規雇用労働者の推移(年齢階級別) 出所:総務省「労働力調査」

 

出所:
[図表3]不本意非正規雇用の状況 出所:総務省「労働力調査」

 

さらに、非正規雇用でいる理由として多いものを順番に並べると、

 

・「自分の都合のよい時間で働きたいから」34.7%
・「家計の補助・学費等を得たいから」18.3%
・「家事・育児・介護等と両立しやすいから」11.2%

 

という結果が出ています。

 

10年前の2013年と比較すると「自分の都合のよい時間で働きたいから」という割合は10.5%も増えているのです。つまり、この10年間で、「仕方なく非正規社員でいる人」は大きく減り、一方で「あえて非正規社員でいる人」は大幅に増加していることがわかります。

 

特に増加幅が多いのがちょうど斉藤さんと同じ年代の20代。なかでも、20代前半では18.0%増、20代後半では11.5%増となっています。

 

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