(※写真はイメージです/PIXTA)

締め切り間際の、確定申告。毎年確定申告を行うアパートオーナーですが、なかには税務署に狙われやすい申告をしてしまっている人もいるといいます。税務署からのお尋ねの対象となるのは、どのような申告をしている人でしょうか? 本記事では、Aさんの事例とともにアパートオーナーの確定申告で注意すべきことについて、税理士の小川明雄氏が詳しく解説します。

不動産所得の収入の内訳

■「貸家・貸地等の別」や「用途」について、記載漏れがないようにしてください。アパートの場合、「貸家」と「住宅用」と記載することになります。

 

■「賃貸料」は「月額」と「年額」を記載する箇所がありますが、前回確定申告のものを見て書き写すと、入居者の出入りや賃料の変更があった場合にミスが発生します。不動産管理会社からの書類や、預金通帳の入金履歴を確認するなどして、実績に基づいて記載ください。

 

■「保証金 敷金」は12月31日時点の預り残高を記載ください。

 

専従者控除

■事業に専ら従事する家族がいる場合、一定金額を控除できる制度です。家族が会社勤めや個人事業主の場合には、適用できません。

 

■実際に支払った給与を経費に計上できるわけではない点に注意が必要です。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm

 

■また、この制度は不動産所得が事業的規模に該当する事業者のみ適用可能です。事業的規模に該当するかどうかは、物件の規模により決まります。集合住宅の室数10室以上、あるいは、独立家屋5棟以上である場合には、事業的規模に該当します。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm

 

減価償却費の計算

■物件の取得時や追加工事を行った時には、減価償却資産を追加する必要があります。

 

■資産の種類によって耐用年数が異なりますので、新規資産を取得した場合には、手引きに記載されている表をよくご確認のうえ、耐用年数を決定ください。

 

■償却方法は、原則として、定額法です。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm

 

修繕費の内訳

■資産の価値を増したり、耐用年数を延長したりする工事は、修繕費ではなく、固定資産の追加取得(資本的支出)として取り扱われます。その場合は修繕費に含めず、「減価償却費の計算」欄に記載してください。

 

■修繕費とならないものについては、国税庁の下記案内を参考にするとよいでしょう。特に、判定フローがわかりやすいです。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1379.htm

提出前に書面の内容を確認

提出する申告書に、一目でわかるようなミスがあれば、税務署からお尋ねがきて、その対応に時間を取られることになります。

 

申告書を準備する際には、税金のルールの確認だけでなく、集計ミスや入力箇所の誤りなどがないよう慎重に作成ください。一度印刷して、手元で見直すだけでもミスを発見しやすくなります。

 

確定申告の準備は気が重いものですが、少しでも早くに始めていただき、余裕を持って終わらせられるようにしてください。

 

記載の手引きやe-Taxのシステムの案内が充実していますので、説明をよく確認のうえ、作成しましょう。

 

 

小川堀田会計事務所

税理士・公認会計士

小川 明雄

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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