(※写真はイメージです/PIXTA)

日本弁護士連合会の調査によると、60歳以上の「破産債務者」の割合は2008年:約16%→2020年:約25%と、高齢者による「老後破産」が増加しています。そして恐ろしいのが、老後破産危機に陥る人のなかには「現役時代に高収入だった人」も少なくないという点です。株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPが、ある男性の事例をもとに、老後破産に陥ってしまう「8つの条件」と回避策を解説します。

老後破産を回避する「6つ」のポイント

今回見てきたように、老後破産は、たとえ現役時代高収入であっても陥る可能性があります。そこで、Aさんのように老後になってから慌てずにすむよう、下記のような準備をしておくとよいでしょう。

 

老後破産を回避する「6つ」のポイント

1.「介護」も含めて人生設計を行う

2.家計の見直しを定期的に行う

3.現役時代の収入(貯蓄)だけで老後資産準備は不安であれば、iDeCoやNISAを活用する

4.自宅を購入する際は、老後のことを考えて検討する。できれば売却や賃貸に出すことも視野に入れ、あくまで「資産」として購入する

5.住宅ローン控除の期間が過ぎたら、余剰資金で早めに繰り上げ返済をしていく

6.定年後も収入を得られるよう、「リスキリング(学び直し)」を行う

 

老後破産を避けるためには、定期的に家計の見直しをすることはもちろんのこと、将来をどのように過ごしていくか考える「人生設計」も重要です。

 

現在では高校でも「お金の授業」がスタートしており、人生設計に加えて「資産形成」「借金」「社会保険」などについて学んでいます。社会人で十分収入がある方も、いまからでも必要な金融知識を身につけて計画を立て、実践していくことで、老後にゆとりを持って生活できるようになるでしょう。

 

また最近ではAIの発達により、いまある多くの仕事がなくなると予測されています。そのため、すでに働いている方や定年が近い方であっても、将来を見据えて「リスキリング(学び直し)」をしていくことも有益といえます。

 

副業を認める会社も増えていますので、学び直した知識やスキルを使って副業をすることで、老後の収入を確保・増加させることができます。

 

2024年から新NISAがスタートし、定年も60歳から65歳、さらに70歳へと引き上げられる予定です。お金に関するさまざまな制度が整備・更新されている昨今、過去の常識にとらわれず、新しい情報を取り入れながら、老後破産に陥らぬよう対策をとっていくとよいでしょう。

 

 

武田 拓也

株式会社FAMORE

代表取締役

 

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