(※写真はイメージです/PIXTA)

2024年は日本経済の上昇へ向けた転換点「ゴールデン・チェンジ」になると語るのは、国際エコノミストの今井 澂氏。「インバウンド」が上昇の起爆剤になる理由を、著書『日本経済大復活 ゴールデン・チェンジ』(Gakken)から抜粋してご紹介します。

日本の「独自ののびしろ」に期待

コロナからの復元需要、そして世界的な市場の拡大という追い風に加えて、日本ならではの事情もインバウンドを押し上げます。

 

まず一つ目は、円安です。輸入品の価格上昇は日本の消費者にとってはインフレを招いて痛手ですが、外国人にとっては自国通貨高となり、日本の商品・サービスがより魅力的な「お値打ち価格」に感じられるからです。

 

日本銀行の金融緩和が若干後退したことで、今後は急な円高に転換すると予想する声もありますが、その可能性は小さいと思います。アメリカ景気が堅調で、緩やかな物価上昇が続いているためで、FRB(米連邦準備制度理事会)はこれ以上に金利を上げることはないでしょう。

 

一方で、アメリカ経済が大きく落ち込まない限り、利下げの可能性も低いです。この先、日本がマイナス金利をやめたとしても、日米金利差が急激に縮まることはまずないと考えられるのです。

 

先進国の中では、GDPに占める国際観光の比率が低いことも、これからの日本のインバウンドの「のびしろ」として期待できます。

 

日本の観光業、それも狭い意味でなく、日本経済全体に波及する意味でのインバウンド効果に大いに期待したいところです。

 

 

今井 澂

国際エコノミスト

 

※本記事は『日本経済大復活 ゴールデン・チェンジ』(Gakken)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

 

 

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