年金なんかいらない!と豪語していたが…
以前、筆者のところに相談にやってきたAさんは30代半ばの自営業(年収は約1,000万円)の男性です(実際の相談内容をアレンジして記載しています)。いろいろとお話を聞いたあとにAさんは次のようなことを言い出しました。
「iDeCoで老後資金作りもやってみたいと思ってるんですよ。自営業なので国民年金なんですが、本当に将来もらえるかどうかわからないでしょ。だから国民年金の保険料を払うのもやめちゃいました。iDeCoだけでも十分に老後資金作れますよね」
これには筆者も驚いて、「え? 国民年金の保険料を納めていないと、iDeCoには加入できませんよ」と、伝えたところ、Aさんもビックリ! ショックを受けた様子でした。
「なにか年金機構から通知などは届いていませんか?」筆者が尋ねると、「そういえば赤い封筒が届いていたような……。ねんきん定期便みたいな、毎年届く定期的なお知らせのような感じかと思って放っておいていました」
赤い封筒の意味を伝えると、「えっ、このままじゃ『差し押さえ』ということですか! そ、そんな……」Aさんは震えてしまいました。
国民年金の保険料を納めないと、iDeCoや国民年金基金などに加入できないとともに、未納が続くと、「障害年金」「遺族年金」といった万が一のときの年金がもらえなくなる危険性があります。老後の生活のためだけにあるものではありませんので、いざというときに「もらえない」という状況を避けるために、未納がないよう、速やかに支払いを済ませることが重要です。
iDeCoはAさんのような自営業者の場合、月に6万8,000円(年間81万6,000円)まで積み立てることができます。もし、年3%で25年間運用し続けられたとすると、運用益だけで約1,000万円近くになりますし、年5%だと2,000万円を超える運用益が得られることになります。他にも所得税や住民税などの節税効果があります。
いまのままではiDeCoに加入できないというショックと、シミュレーションした運用益の大きさに、Aさんは「保険料、ちゃんと払わないと」と考えを改めたようです。
国民年金未納で送られてくる「赤い封筒」
Aさんは考えを改めたようですが、もし、年金保険料を納め続けないとどうなるのでしょうか? Aさんが放置していた赤い封筒が大きく関係しています。
国民年金は日本に住む20歳以上の国民すべてが加入する年金で、国民年金保険料の支払いは国民の義務とされています。自営業者や学生の方、無職の方なども対象で、収入が無くても納付の義務があります。
ちなみに、専業主婦(第3号被保険者)の方は、厚生年金加入者全体で保険料を負担する仕組みになっているので、保険料を支払う必要はありません。
国民年金保険料は月1万6,980円で、60歳までの40年間支払うことで、月額6万8,000円の年金を受け取ることができます。
1.国民年金未納保険料納付勧奨通知書《催告状》(紫色の印字のハガキ)
「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」は、国民年金保険料の未払いがあると届く通知書で、3つ折りの紫色で印字されたハガキです。未納期間や未納金額が記載されており、近くの金融機関やコンビニエンスストアで納めるよう告げられています。
この時点では、納付督励(ちゃんと払ってくださいね)という段階にあります。場合によってはハガキだけでなく、電話をかけてきたり、自宅訪問にやってきたりなどの方法で保険料納付の案内がされます。
ですが、学生さんのように収入がなかったり、家計が苦しかったりといった事情がある方は、納付もなかなかできない場合もあります。そんな場合は、「猶予」や「免除」の手続きをしましょう。市区町村役場の国民年金担当相談窓口に相談することで、年金保険料の猶予や免除が認められることがあります。
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