(※写真はイメージです/PIXTA)

これまでは「資産価値のある」不動産にかんしては、持っているだけで「とってもお得」な相続案件でした。しかし、最近はそうともいえなくなってきたと、不動産事業プロデューサーである牧野知弘氏は言います。牧野氏の著書『負動産地獄 その相続は重荷です』(文藝春秋)より、相続すると「負の財産」となりかねない、危険な不動産の見分け方を詳しく見ていきましょう。

資産性のある「建物」とは?

建物付きで相続する場合は、相続時までになるべく断捨離をして、家財道具を片付けておくことです。特にタンスや食器棚のような大型の家具を撤去しようと動かすと、壁が傷んでいたり、カビが密生していたり、思わぬ状況に遭遇するものです。

 

相続後に相続人が住むにしろ、賃貸に出すにしろ、いずれにしてもまず家の中を整理して補修すべき箇所を確認することです。内装ばかりに目が行きがちですが、屋根や外壁などの修繕履歴も確認し、クラック(亀裂)などが入っていないかを確認します。意外と見落としがちなのが樋で、台風や豪雨などの影響で外れている、壊れているようなケースも多いものです。

 

設備で要チェックなのがエアコンや給湯器です。親がしばらく病院や福祉施設などに入居していると、機器がほとんど使い物にならない状態にある場合があります。相続後どの程度の整備費用がかかるのか、あらかじめ把握しておくと、慌てずに済みます。

 

最近ではマンションを相続するケースも増えています。マンションの建物価値は非常に重要です。土地の権利があるといっても所詮は敷地権の共有にすぎません。マンションこそは相続後自分が住む、他人に貸す、売る、という視点から、その建物としての資産性を正確に把握しておくことが大切です。

 

まず、相続するケースでは築40年を超えるような物件が多いかと思います。立地については道路への接続など気にする必要はありませんから、もっぱら建物の老朽化の具合をチェックしましょう。

 

親の住んでいたマンションの状況なんてわからないと思うでしょうが、管理組合に頼んで、大規模修繕履歴のチェック、特に議事録を見て住民間でのトラブルが頻発していないかを確認します。古いマンションになると、オートロックがない、共用部の清掃が行き届かない、外壁の塗装、配管や設備の更新が思うように進められていないものがあります。

 

相続後に賃貸したい、売却したいという場合には、今ではネットで相場を簡単に把握することができます。どこのサイトでも大きな違いはありません。ただし、掲載されている賃料や売値はあくまでも掲載側の希望価格であることには注意が必要です。

 

また一つのマンションでたくさんの部屋が掲載されているようなケースでは、実はマーケットであまり評価されずに、売れ残っている、貸せずに滞留している、といったことが考えられます。またマンションの相続では、相続後速やかに管理組合に届け出て、以降の管理費、修繕積立金などの支払い口座変更の手続きを行う必要があります。できれば理事長さんなどに挨拶をしておくとよいでしょう。

 

以上のように、できるだけ相続発生前に、相続することが想定される不動産についてはあらかじめ、実際に物件を見て、入念な準備を行っておくことをおすすめします。毎年課せられている固定資産税も、通知書を親から見せてもらえば、今後どの程度の税金負担を覚悟すればよいかもわかるというものです。

 

そして資産性が見込めない不動産については、できれば早めに処分して現金化することも視野に入れたいものです。特に不動産で相続税を気にする必要のない世帯では、「いらない不動産」をあえて相続することなく、早期に現金化して相続人同士で分けてしまえば、相続発生の際も相続人同士でもめることなく相続が行われることになります。

 

いらない資産は早めに見切ることです。

 

 

牧野 知弘
オラガ総研 代表取締役

 

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※本連載は、牧野知弘氏の書籍『負動産地獄 その相続は重荷です』(文藝春秋)より一部を抜粋・再編集したものです。

負動産地獄 その相続は重荷です

負動産地獄 その相続は重荷です

牧野 知弘

文藝春秋

資産を巡るバトルでも相続税対策でもない。 親が遺した「いらない不動産」に悩まされる新・相続問題が多発! 戦後三世代が経過していく中、不動産に対する価値観が激変。 これまでは相続財産の中でも価値が高いはずだった…

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