(※写真はイメージです/PIXTA)

日経平均株価が40,000円の大台をつけるなど、株式投資が盛り上がりをみせるなか、実は密かに注目されているのが「デジタル証券」という資産。昨年末、待望の流通市場が開設されました。取引価格はどうなるのか、どういった取引形態なのか、また、市場の存在意義はどこにあるのか……Hash DasH株式会社取締役の三好美佐子氏が、期待されるデジタル証券の特徴と今後の展開について解説します。

不動産取引でも“スピーディ”かつ“簡単”に売買可能

現在、多くのデジタル証券が一応の流動性はあるものとして、「売りたい投資家から証券会社がいったん買い取り、買いたい投資家に転売する形」をとっています。

 

なかなか冗長なやり方ではありますが、好利回りと安定した価格推移が持ち味の不動産デジタル証券は、もとより「なるべく長く持つつもり」で購入した投資家が多いはずで、実際のところ当社でも売却を希望されるお客様はなく、業界でもほとんど聞かれてはいません。

 

とはいえ、常に売りを出せる市場が存在する安心感は大切です。さらに、どれくらいの値段で売れるのか、いま買いたい人がいるのか否かが一目でわかる取引所の板情報等は、換金ニーズが発生した投資家にとっては頼れるインフラとなるでしょう。不動産投資の一番のウィークポイントである「簡単に売れない」プレッシャーを軽減するものといえます。

 

売却時に書類のやり取りや面倒な手続きがなく、換金までわずか2営業日といった点も、不動産投資として考えると“革命的”です。 

 

また、数少ない売却事例ではありますが、証券会社が買い取ったデジタル証券を転売するにあたり、すぐに買い手が見つかったと聞いています。

 

現在の低金利下において、相対的に好利回りの不動産投資商品はたしかに魅力的な投資対象でありますが、いざ買おうと思うと、どこかの証券会社で募集が始まることを待つことになります。

 

一方で、二次流通市場で「たまたま売りが出ていれば気軽に入手できる」という環境は、不動産商品を資産づくりの手段として積極的に使っていこうと考えた場合、非常に魅力的です。

 

特に注目したいのは、「適時開示」の存在です。適時開示とは、投資判断に重要な影響をおよぼすなにかが起きたときに、発行者に対してタイムリーな情報提供が義務づけられる制度で、デジタル証券でもこの適時開示が義務づけられています。

 

ネット上で発行者のウェブサイトや株式市場の「TDnet」に相当する適時提供情報閲覧ページ「START-NET」にアクセスすれば、誰もがどこにいてもその情報が見られます。この点も、いままでの不動産投資には成しえなかったことです。

 

このように、より透明度の高い環境で、より便利に、より安心して投資できるインフラが整いつつあります。デジタル証券がこれから、より多くの投資家に普及していくものと期待されます。

 

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<出典>
・START 取引規程
(https://www.odx.co.jp/files/st/library/regulations/セキュリティトークン取引に係る業務規程.pdf)

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