(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもを東京大学に通わせるとなると、家賃、授業料、教科書代と、大学に通うための費用など、気になる人も多いのではないでしょうか? 都内は家賃が高いなかで、4,700円で暮らせる東大の「三鷹国際学生宿舎」があります。安さの裏側にはいったいなにがあるのか……著書『東京大学に3人の子どもを入れた 強い脳をつくる育て方――いつからでも、才能は伸ばせる! 』(自由国民社)より、高木美保氏が解説します。

使い勝手の良くない「女子学生向けの支援制度」

長女は、現在は前期課程学生向けの「三鷹国際学生宿舎」に住んでいます。ここは家賃4,700円と都内とは思えない破格の寄宿料ですが、安いのには理由があり、後述します。

 

ここで、東大の女子学生向けの支援制度について触れておきたいと思います。

 

東大には女子学生を増やす目的で創設された、女子学生向けの住まい支援制度があります。駒場キャンパスから通学時間が90分以上の女子学生に月3万円の家賃補助が出るのです。

 

でもこの制度は、残念ながら使い勝手が良いとは言えません。

 

まず、合格発表の前に、大学側がリストアップした住まいの中から、10戸まで希望を挙げます。つまり、補助を受けたい場合は、リストアップされた住まいの中から選ぶしかないのです。

 

リストにある物件は、「女子学生向けの住まい」ということでセキュリテイーは万全ですが、家賃が8万から12万と高額なところばかり。月3万円の補助を受けても、家賃だけで毎月5万円以上はかかります。

 

入居時の礼金敷金が30万円以上、さらに管理費や維持費も支払わなければなりません。

 

また、採用システムも微妙で、希望の提出期限は合格発表より前です。

 

3月10日、合格発表の後に合格者の中で抽選が行われます。補助が受けられるか受けられないか、さらにどの住まいになるか、が抽選で決まるのです。

 

そして3月10日午後、抽選結果の連絡が入ります。もし抽選から外れたら、3月10日以降に、自分で住まいを探さなくてはなりません。

 

東大の合格発表は、国立前期日程の大学の中で最も遅い日です。3月10日までには東京の他の大学はほぼ発表が終わっているため、東大の発表の時には、学生向けの物件はかなり少なくなっているのです。

 

さらに、支援を受けられるのは、前期課程の2年間だけです。3年生以上は、全く補助はありません。

 

このように微妙な点もある制度ですが、長女は現役の時は申し込みました。2回目の挑戦の時は「浪人で余計にお金がかかったし、三鷹でいい」と、はじめから「三鷹国際学生宿舎」一択でした。

 

この、東大生からは「監獄」とも呼ばれている「三鷹国際学生宿舎」。まず立地が悪い。どの最寄り駅へも徒歩40分。駒場へは自転車20分で吉祥寺まで行き、井の頭線で25分。

 

周辺に店もなく木と草ぼうぼうの広い敷地に、鉄筋3階建ての6棟。効きが悪く電気代のかかる古いエアコン、硬いベッド、机、クローゼット、ミニキッチンが備品。極めつけは狭いシャワー・トイレユニット。シャワーを使う時はトイレの上に洗面台を移動させるという謎の構造で、シャワーすると洗面台はびしょぬれ。

 

寄宿料4,700円、水光熱費を含めても1カ月で1万円ほどで、ハードな環境と格安さが「三鷹に住むことがアルバイト」と言われるゆえんです。

 

留学生が多く日本人女子学生は少ないのですが、1・2階が男子用で、女子用の3階入口はオートロック。事務員も常駐しているので、女子にとって安心感はあります。

 

もし、東大受験で寮住まいを考えているなら、見学することをお勧めします。事前に予約をすれば、見学することができます。

 

見学した上で、住むことができそうで、不便さを我慢できるなら、我が家のように経済的に厳しいご家庭は、候補に入れられても良いかと思います。門限がなく自由度は高い上、家賃は破格の安さですから。

 

 

高木 美保

 

学習塾・スクールオーク代表

 

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※本連載は、高木美保氏による著書『東京大学に3人の子どもを入れた 強い脳をつくる育て方――いつからでも、才能は伸ばせる! 』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

東京大学に3人の子どもを入れた 強い脳をつくる育て方__いつからでも、才能は伸ばせる!

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高木 美保

自由国民社

「お金がない」「シングルマザー」「地方在住」の 「3ナシ状態」から子ども3人を東大へ! 成功の秘密を、お金の問題含めすべてお話しします。 【目次】 第1章 東大という「強力な切り札」を手に入れよう。 第2章 …

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