(※写真はイメージです/PIXTA)

新NISAは中長期で運用するのが基本ですが、ときには売却・利益確定を検討したほうがよいタイミングがあります。場合によっては、何もしないことで損失が拡大してしまうリスクもあるため注意が必要です。本記事では『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)から著者の長田氏が、新NISAの売却・利益確定に関するポイントを詳しく解説します。

「株価が2倍」になったら一部売却を

では短期急騰銘柄以外、新NISAで保有株を売るタイミングはいつがいいでしょうか?

 

私も実践していてわかりやすい売りタイミングは「シンプルに株価が2倍になったときに半分利益を確定する」という方法がおすすめです。

 

2倍になった株価はさらに伸びていく可能性が十分にありますが、一定割合を売却することで、残りの株価の取得単価が下がります。

 

たとえば平均取得単価300円の株を1,000株保有していたとすると、取得価格は30万円になります。その株が600円になったところで半分の500株を売却します。すると非課税口座なので税金を取られず、売却額は30万円になります。つまり、その株式に対しては投資額(30万円)を回収することができました。

 

その結果、残りの500株は元本を回収済みの“恩株”、早い話が購入金額0円、コストゼロの“タダ株”ということになり「いつ売っても利益になる」状態となります。

 

こうなれば心に余裕を持ってさらなる上昇局面に備えることができます。相場の状況次第で下がってくれば再度購入することも簡単です。上がって嬉しい、下がって嬉しいのメンタルで相場に臨むことができます。

 

もちろん全株保有し続けていた場合と比べれば、その後値上がりしたときの利益は半分になってしまいますが、2倍とはいわずとも上昇過程のどこかで利益をある程度確保しておくことは大切です。

 

「ああ、あのとき売っておけば良かった……」とならないように、下落のリスクを軽減することは株式投資の基本戦略です。

 

●具体例:エムスリー(2413)

国内だけでなく世界中の医者が利用するメガプラットフォームを運営するエムスリーは、2013年当時の400円程度から大台を2つ変えて、テンバガーを超える“25倍バガー”もの暴騰劇を見せた。しかし、その後下落に転じ、大天井をつけた株価から1/4に。


エムスリーの2021年の年初の大天井株価での予想PER(株価収益率=1株当たり純利益に対して株価が何倍になっているかを示す)は150倍と超割高。割高な成長株の9割くらいが、このような株価推移となる傾向にある。


現在はインフレ状況にあるため、割高株はより売られる環境にある。2倍とはいわずとも、ある程度のところで利確しておかないと痛い目を見ることになりかねないので要注意!

[図表]エムスリーのチャート

 

非課税枠にこだわらずに利益確定(あるいは損切り)

新NISAでも保有株を売却することの必要性は、保有銘柄を売ることで成長投資枠が空くので他の有望銘柄を仕込むことができるようになることも挙げられます。

 

新NISAでは1,800万円( 個別株式では1,200万円)という非課税枠を意識して投資することになります。旧NISAのときと異なり、投資枠を使い切っている場合でも、売却した分(取得価格)については翌年に枠が復活するので(その年すでに1,800万円の非課税投資枠〈つみたて投資枠と成長投資枠の合計〉を使い切っている場合)、もう一度非課税枠を使って投資をすることができます。

 

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