「なぜ」を考え続ける
理解を深めていけばいくほど、世の中には似たようなロジックのつながりが至るところに存在していることに気づき、学びが加速していきます。
ロジックのつながりを100個しか持っていない人に比べると、1万個も持っている人は何か新しいことに取り組む時に「あ、これはこのロジックと一緒だ。こっちはあのロジックが活かせる」と物事に対して早く構造化したり、理解ができたりします。
資格の勉強をしている人は、受験勉強を通してさまざまな論点や結果を出す技術を習得し、ロジックのつながりを強化するトレーニングを半ば強制的に行っています。それは本来、受験勉強でなくても磨ける力です。
ビジネスであれば、「部下や後輩のモチベーションをどうしたらもっと高くできるのか」、「どうしたらもっと仕事を効率化できるのだろうか」、「どうしたらもっとお客さんの期待に応えられるのだろうか」というように、「どうしたら」、「なぜ」と考え続けている人は物事のロジックのつながりがどんどん強化されていきます。
説明の上手い人が実践していること
説明が上手な人は、具体と抽象の行き来を繰り返す力があります。つまり、具体の話をしている時に大きな考え方である抽象の話にまで戻って、それをまた他の具体でも説明するということを繰り返します。
勉強はどうしても具体(簿記であれば会計処理)を学ぶ機会のほうが増えます。しかし、だからこそ「大きな考え方」にも定期的に触れて、理解を深める必要があるのです。そうすることでつながりがわかりやすくなっていくのです。
とくに、例えが身近な話だと納得しやすくなります。たとえば、会計の学習でのれん※の解説をする際、次のように1本のペンを使って例え話をするだけでぐっと身近に捉えられるのではないでしょうか。
※ 企業のブランド的価値のこと。会計上では企業の時価評価純資産と買収価額の差額として表記される。
「このペンは150円で販売されています。しかし、もし自分の好きな芸能人が使っていたペンだとすれば、10万円出してでも欲しいと思うかもしれません。この150円と10万円の差額というのが、のれんになるわけです。
つまり、150円の商品を、なぜ10万円で買うのかというと、本人は150円以上のメリットがあると判断したからです。
これが経済活動であれば、企業を買収することでブランド力やシナジー効果が高まり売上が上がると見込み、のれんの金額以上の価値があると判断することと同じですね」
このようにペンという身近な存在を用いて、同じような理屈を説明することで納得感が得やすくなります。
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