思考法が変われば空気が変わる
では、どうすればうまくいくのでしょうか。その1つとしてとても大切なことが、上述した他責思考から自責思考へ思考法を変えることです。
対人スキルの話で言えば、たとえば友人を思い浮かべて「なぜ自分はあの人と仲が良いのか」と考えると、その答えはとてもシンプルで、自分にとってプラスを与えてくれる人だからです。
誰しも、人生の主人公は自分です。だから、「自分はこうなりたい」、「自分はこうされたら嬉しい」という願望があります。当然、それは皆が皆、個々にオリジナルな思いを持っています。
良い関係性を築き合えている人は一緒にいることでお互いの願望が満たされ合っています。だから、良好な人間関係を築けるようになるのです。
逆に、「なぜ仲が悪いか」も考えてみると、それは自分の願望に対して足を引っ張ったり、悪口を言ったりするからではないでしょうか。だから、悪口を言うような人とは絶対に良い人間関係を築くことはできません。
人間関係を良くしたいのであれば、相手の願望を理解して、それに対して貢献をすれば良いのです。そうすれば、相手も心地よく感じてくれるので、相手もまた自分に貢献してくれます。
非常にシンプルな法則にも関わらず、理解できていないがゆえに相手の嫌がることをしてしまうのです。
もし、部下が仕事で壁にぶつかった時に、「なんでできないんだ! もっとちゃんとやれ!」と他責思考で怒鳴っても、何の問題解決にもなりませんし、物事はさらに悪化してしまいます。
「なぜうまくいっていないのか」を紐解いて、「これとこれがうまくいってないから、こういうふうに改善すれば、もっと良くなるのでは」とアドバイスし、うまく壁を乗り越えることができれば相手も嬉しいはずです。
そうすれば上司と部下の関係も必ず良くなり、その組織にも良い空気が流れるようになります。
つまり、相手が悪いという他責思考ではなく自責思考で自分がどのようにコミュニケーションをとればよいのか、自分の思考と行動をどのように変えればよいのかという視点で考えることが重要です。
国見 健介
CPAエクセレントパートナーズ株式会社 代表取締役
公認会計士
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