年収1,200万円…フリーのプログラマーとして成功したAさん
Aさん(49歳)が新卒で就職した会社は、いわゆる「ブラック企業」。1年で身体を壊して退社したあとは派遣社員として10年ほど働きましたが、2008年のリーマンショックのあおりを受けて翌年失業してしまいました。
就職氷河期世代のAさんは、「派遣だと切られてしまうのか……手に職がないとヤバいな」と一念発起。ハローワークに職業訓練の支援が必要と認めてもらい、職業訓練校で6ヵ月間プログラミングを学びました。
元々凝り性のAさんは、さらに独学で技術を向上。49歳のいまではフリーランスのプログラマーとして大手数社と業務委託契約を結び、年収は1,200万円※ほどあります。
※ フリーランスや個人事業主の年収は、総収入額から経費など引いた確定申告書Bの「所得金額等」の金額をいう。
悲劇は突然に…預金口座が差し押さえられたワケ
ところがある朝、Aさんのもとに銀行からメールが届きました。「今月分ご利用料金の自動引落としを完了することができませんでした」。その日に口座振替予定のクレジットカードの引き落としができなかったというのです。
Aさんが「そんなはずはない。預金は十分残っているはずだ」と残高を確認してみると、口座残高は「0円」となっています。
驚いて銀行に確認すると、預金の全額840万円が、日本年金機構に差し押さえられたことがわかりました。
Aさんは、仕事どころではありません。自宅で業務を進めていましたがいったん中断し、所轄の「社会保険事務所」へ飛んでいきました。
未納額+延滞金で「約43万円」支払うはめに
社会保険事務所に行くと、職員は、預金を差し押さえられた理由について「国民年金保険料が未納のため、預金口座を差し押さえました(=強制徴収を行いました)」といいます。
Aさんは、未納額と延滞金約43万円をなんとかかき集め、その日のうちに社会保険事務所に納付。差し押さえ解除の手続きをしました。
その数日後、無事に差し押さえは解除されたものの、冷や汗が出る経験をしたAさん。年金を含め、今後のライフプランの相談をすべく、Aさんの知人が相談したことのあるという筆者のFP事務所を訪れました。
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