①快適な勉強のために、ストレスを減らそう
「自分の勉強にとってストレスになるものをとにかく減らし、勉強効率を上げることを強く意識する」というのが、1つ目のテクニックです。
「楽しく勉強する」「自分を責めない」といった大小様々なテクニックは、ストレスを減らすのにも役立ちます。
勉強をしている最中に別のことが頭に浮かんでしまうと、勉強の効率が落ちてしまいますよね。特に、ストレスを原因としたイメージは強く長く頭に残ってしまうため、それだけ勉強への影響も大きいでしょう。
睡魔との戦い、スマホの誘惑、人間関係のしがらみ…などなど、誰しも一度はこれらのストレスを抱えたことがあるのではないでしょうか。頭のなかに強く広がるあのいやーなイメージです。そして、これらを抱え込みながら作業をした結果、ミスをしてしまって余計に落ち込んでしまう…といった経験の1回や2回、みなさんも思い当たる節はないでしょうか。
なので、せっかくかけた時間や労力を最大限生かすためにも、なるべくストレスを感じないように勉強し、自分の勉強の効率を上げるように意識することが重要です。
②ストレスを感じるときは、さっさと寝てしまおう
眠気や不安は、勉強の効率を下げる最大の敵と言っても過言ではありません。
眠くて頭がぼんやりしているときに10時間机に張りついて勉強したとして、それは本当に意味がある勉強なのか? といわれれば、僕の答えは「NO」です。
先ほどもお伝えした通り、勉強するうえで大切なのは、勉強によるストレスをなるべく減らすことです。みなさんは「勉強するだけでストレスだよ!」と思っていませんか? でも実は、勉強そのものよりも、空腹や肩こり、眠気といった「体のつらさ」がストレスにつながっていることが少なくありません。
僕はみなさんが感じている勉強のストレスの多くは「眠気」によるものだと見ています。勉強というと、あたかも朝から晩まで寝ずに頑張るイメージがあるからでしょうか。けれど、眠くて頭がぼんやりしていると、脳が働きません。その状態で学習をしても、記憶に残らないことがほとんどです。
「10の効率」でダラダラ10時間勉強する(=10×10)くらいなら、3時間寝てしまって、頭がスッキリした状態で集中して「20の効率」で7時間勉強する(=20×7)方が圧倒的に効率的です。
それに、眠気というストレスを感じながら無理に長時間勉強をしてしまうと、勉強そのものが嫌になってしまうかもしれません。
ストレスで言えば、「不安」も非常にやっかいです。
たとえば、夜中に1人で勉強しているときに、急に「受験に失敗したらどうしよう?」とか、「勉強が本当につらい…」といった不安に襲われてしまうことはありませんか?
こういった不安はとても人間的なものですが、これらを感じながら勉強することも、眠気と同様にとても非効率的になってしまいます。頭の中身が不安でいっぱいになってしまって、勉強している内容がぜんぜん頭に入ってこないですよね。
こういった不安を感じそうになったときも、まずはすぐに寝ることをオススメします。1回寝て、頭をリセットすることで心配を忘れて勉強できるようになるものです。
横になってもなかなか眠れないときは、まずは四肢の脱力を意識することから始めましょう。起きているときは、常に四肢に少なからず力が入っています。そして、寝るときもその名残で、全く力を入れてないつもりでも多少の力が入ってしまっていることが多いのです。
そのため、まずは睡眠を邪魔する余分な力を意識的に抜いてあげることが大事です。気持ちを落ち着かせたうえで四肢を脱力させてあげましょう。その際、右手→左手→右足→左足と順に力を抜いてあげるとやりやすいでしょう。実はこれは、医療の現場で(特に心療内科において)、治療として頻用される「自律訓練法」の第1公式なのです。自律神経を整えるという目的(や特定の心身症・精神疾患の治療目的)で、医療の現場で用いられている方法なので、ぜひ実践してみてください。
四肢の脱力後に、もし目をつむってもいろいろ考えてしまって眠りにつけないときは、考えが浮かんだ瞬間にフワッと「その考えが消えて無になる」イメージを繰り返してみましょう。
少しでも何かの考えが浮かんできそうになった瞬間に再び無になるのです。この無になる感覚、最初はわかりづらいです。むしろ「こんな感じでいいのかな?」と考え込んでしまうかもしれませんが、その考え込みすらもフワッと消していきましょう。やっていくうち、徐々にすっと無になる感覚を摑めるようになります。
ちなみに「仮眠」を取る際は、その直前にカフェインをコーヒーなどから摂取するのも効果的です。カフェインを摂ると眠れなくなりそうですが、実はカフェインの効果が出るのは、摂取してから30分~1時間です。効果が出る前に寝てしまえば、目覚めたときのスッキリ感が段違いになります。効果には個人差がありますが、ぜひ試してみてください。
③場所を変えて集中できる環境を作ろう
「楽しみの誘惑」もつらいストレスの1つです。楽しいことを思いっきりやるのはいいことですが、「ゲームをしたいのにできない」「遊びたいのに勉強しなければいけない」という思いは、ストレスでしかありません。だからこそ、こういったストレスも、積極的になくしていきましょう。
そんなときの対処方法は「場所を変えること」です。すなわち、自分自身を変えるのではなく、周りの環境を変えてみるのです。
たとえば、僕は司法試験の勉強をしていたとき、スマホが手元にあると気になってなかなか勉強に集中できませんでした。なので、スマホを家に置いて、自宅からちょっとだけ離れたカフェへ自転車で行って、そこにこもって勉強をしていました。最初は、勉強の最中にスマホが気になる瞬間もありました。
しかし、スマホが手元にないため「仕方ない」と割り切ることができたのです。スマホの誘惑に打ち勝つための労力はいつしかなくなりました。スマホを家へ置いていくのは、最初は抵抗があると思いますが、僕の場合、「〇時から〇時はカフェで勉強する」と習慣化したあとは、抵抗感もなく実践できました。
「カフェは騒がしくて集中できない!」という人は、図書館のような静かな場所でもよいと思います。予備校の自習室などに登録していればそこも利用できますし、もし集中できる場所の目星がつかなければ、先輩や友達にオススメの場所を聞いてみるとよいかもしれません。
そして念のため申し上げておくと、店が混雑しているようなときは、(長居をしないなど)お店の迷惑にならないようにもしたいですね。
④音楽を使いこなそう
よくX(旧Twitter)等で「音楽を聞きながら勉強してもよいですか?」という質問を受けます。これについては、音楽を聞いていた方がストレスなく勉強に臨めるのであれば、音楽を聞けばよいと思います。音楽はクラシックからヘビーメタルまで様々なジャンルがあるうえ、その人が「音楽をBGMとして聞き流す能力があるかどうか」によっても、勉強の効率が変わってきます。
僕の場合でいうと、「No music, no life」派なので、音楽を聞かないことがかなりのストレスでした。なので、なんらかの音楽を聞いていることが多かったように思います。ただ、たとえば現代文の文章を読んでいるときに歌詞のある音楽を聞くと、日本語が頭のなかでごちゃ混ぜになってしまうため、集中できませんでした。
そのため、文章を読んで理解するインプット系の勉強(現代文や社会など)の際は、歌詞のないゆったりとした音楽を聞いて、英単語の暗記や数学の宿題といった単純作業系の勉強(何が単純作業かはその人次第)の際は、音楽にのりながらこなしていました。
このように、自分のなかで「音楽を聞くことでストレスを減らすこと」と「勉強に集中すること」のバランスを取っていました。
なお、歌詞のないゆったりとした音楽を探している方は、YouTubeなどで「集中」と検索してみてください。勉強がかなり捗るBGMがたくさん出てくると思います(僕はこれを執筆している今も聞いています)。
⑤友達を巻き込もう
友達と遊べないストレスは、友達を勉強に巻き込むことで解決しましょう。
たとえば、英単語を覚えるような場合。一人だけで覚えようとすると、作業がマンネリ化してしまい、どうしてもモチベーションが上がりにくくなってしまいます。友達と遊べないストレスがそこへ加わると、なおさらやる気が失せるでしょう。
しかし、「この人に勉強で置いていかれたら本当に嫌だな」と思えるような仲のよい友人を見つけて、一緒に勉強をしたらどうでしょうか。「今日は英単語これだけ覚えたよ」「まだそれしか覚えてないの!(笑)」とお互いに競い合うことで、負けず嫌いな感情を刺激して楽しく勉強を継続できます。
これは本書Chapter1の「勉強のゲーム化」のところでも、オンラインプレイや協力プレイのようなものだと述べましたね。クリアするタイムを友達と競うのと同じ感覚で、1週間で何単語覚えられたかを競うのです。勉強しているのに友達と遊んでいるような感覚になると思います。これにより勉強は楽しいものなのだ、と思うきっかけになったら大成功と言えるでしょう。
英単語の勉強に限らず、何かをこなそうとすると、どうしても自分一人の力ではできないことも出てきます。誰かと対立するよりも、協力してお互いを肯定し合える関係を築いた方が抱えるストレスははるかに少ないでしょう。
⑥相性が悪い人とは距離を置こう
上記のような、お互いが協力し合ってストレスのない関係を築けるなら、それに越したことはありません。しかし人間である以上、相性の問題で、どうしてもウマが合わない人は存在します。そういった人とは無理に距離を縮めようとしても、ストレスを抱えるだけなので、あえて距離を置くのも1つの手段です。
場合によっては、関係を絶ちましょう。これまで仲がよかったからと、無駄にダラダラと関係を続けた結果、お互いがストレスを感じるのは、双方にとってももったいないことだと思うのです。
というのも、人生において費やせる時間も労力も有限です。ウマが合わない人に労力を割いてしまったがゆえに、本当に好きな人、大事な人、労力を割かなければならない人に労力を割けなくなってしまうのはなんとも悲しいことではないでしょうか。労力を割くべき人、物事(受験など)のために、不要な労力は、ときに容赦なく削るという思いも必要です。
そして同様の理由から、関係を切る際も何も言わず、気づいたら離れていたというような距離の置き方がベストでしょう。そのけんかをする労力、さらには連絡を取る労力すら惜しいと思ってもいいのです。
⑦勉強時間は自分のペースで設定しよう
友達と勉強するうえで気をつけたいのが、「相手のペースで勉強してしまう」という罠です。逆算勉強法を駆使してせっかくスケジュールを作ったのに、友達の苦手科目にばかり集中して取り組んでしまったら、自分の成績が上がりにくくなります。友達と協力しつつも、勉強時間を自分のペースで管理することも、効率を上げるためには重要です。
自分のペースで勉強するということは、かっちり決めたスケジュールに沿うことだけを意味しません。ときには「やる気が出ないからやめる」のも自分のペースなのです。
たとえば、僕は大学受験や司法試験時代、「1日〇時間やるぞ!」と目標を決めて勉強したことは一切ありませんでした。やる気が出たときに勉強する、疲れたら寝る、回復したらやる…と自分の状態で勉強をするかしないかを決めていました。
ストレスの話にもつながりますが、「やる気がないな」と思いながら勉強をするのが一番ダメなパターンです。情報に対しても受動的になってしまいます。一方で、やる気に満ちて勉強すると、「すべての情報を理解しよう、覚えよう」と能動的になるので、頭への入り方が格段に違います。
すなわち、「やりたくなったらやる、そして眠かったら寝る」のが最も効率のよい最適な勉強のペースなのです。
ただし、みなさんもお気づきの通り、このマインドセットは場合によっては賭(か)けであり、勉強をやりたくなる気が一生起こらなくなってしまうというリスクもあります。
そのため、Chapter1に挙げたような方法などでモチベーションをしっかり高めていかなければなりません。そして、Chapter0や4で述べている各教科の意義などについて知ったうえでも勉強の必要性を一切感じなかったときは、その方にとっては勉強はいらないものなので、それ以外の有意義だと信じるものをやってください(なお、そういう例は極めて限定的なはずですが…)。
河野 玄斗
次世代オンライン学習塾 河野塾ISM 代表
1996年神奈川県生まれ。東京大学医学部を卒業。司法試験・医師国家試験・公認会計士試験に合格し、3大難関国家資格を制覇。初著書『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法』(KADOKAWA)はタイ語・繁体字等へも翻訳され、累計12万部を超えるベストセラーとなった。
「頭脳王」(日テレ)にて三度優勝、「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(日テレ)番組史上初の全問正解など、テレビにも多数出演。Xフォロワー20万人、YouTubeチャンネル「Stardy-河野玄斗の神授業」は登録者118万人を突破した。
現在は、次世代オンライン学習塾 「河野塾ISM」を立ち上げ、累計生徒数は50,000人を突破。最強の学習プログラム「KONO式」を開発した。
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