「休憩の使い方」を意識して勉強時間を増やそう
■「切り替えのしやすい休憩」で“勉強に戻れない”を防ぐ
長い時間勉強すると、どうしても集中力が切れてしまいます。そんなときは、休憩してリフレッシュするのが一番です。
ただ、休憩の怖さは、1回休憩をはさんでしまうとズルズルと時間を消費してしまい、勉強に戻ってこられなくなってしまう点でしょう。僕もスマホの引力の大きさを前に、手も足も出なかったことがあります。
そういったズルズルと時間を浪費してしまう休憩を回避するために、切り替えのしやすい休憩をしましょう。
切り替えのしやすい休憩とは、始まりと終わりの区切りがハッキリした休憩です。
たとえば、僕は司法試験に向けて勉強していたとき、休憩時間に音楽を大音量で聴いていました。かなりの音量の音楽をイヤホンで聴いて、ベースやドラムなど特定の楽器から奏でられる音のみを1曲ずっと追っていたのです。普段はボーカルのメロディーラインばかりに意識が向きがちですが、意識して楽器の音だけを追っていけば「このギターリフカッコいい」「ここのリズムは変則なのか」「スネアの感じいいな」など、新たな発見があります。その発見の喜びを噛みしめてリフレッシュしていたのです。
この休憩のよいところは、曲には必ず終わりがあるので、区切りがハッキリとしている点です。「3曲聴いたら終わりにしよう」と区切りを意識しやすかったのです。
よく、「受験期間はゲームやSNSをやめた方がよいですか?」という質問をいただきます。
ゲームにもよりますが、スマホゲームでも、一度プレイすると何時間か回復するまで待たなければいけないものは、むしろ休憩には相性がよい部類だと思います。
SNSも、時間を計って「10分だけX(旧Twitter)を見る!」と自己管理できるのであれば問題はありません。それよりも息抜きを縛り過ぎて、その結果勉強が嫌いになってしまうことの方がよくありません。
ただ、ついつい10分以上継続してしまったり、勉強中も気になって手がつかなくなってしまったりするのであれば、スマホのないカフェで勉強をするなり、スマホからゲームをアンインストールしてできなくするなりして封印すべきです。
他にも、仮眠を取るときはベッドにスマホを持っていかないなどの習慣づけもオススメです。仮眠を取ったあとに、ベッドで寝転がりながらスマホを触ってしまったが最後、あっという間に「就寝時間」になってしまうことでしょう。
■得意科目を「息抜き」にする
「得意科目を休憩」にできたら、これほど強いことはありません。苦手科目を勉強していて疲れたら、休憩がてら得意科目をやって、また苦手科目に戻って…を繰り返せば、1日中勉強できることになります。というより、そうなれば得意科目に関しては勉強という感覚ではなくなるでしょう。
得意科目は一般的に「できるループ」を回しやすく、しかもインプットというよりはアウトプットの学習が効率的であることが多いため楽しみやすいのです。大学受験の科目についてはその楽しみ方を本書Chapter4で詳述したので、ぜひそちらを参考にして、「この科目は得意で、もはや娯楽だ!」と言えるくらいにしてみてください。
「ハードルの低い日課」で勉強時間を底上げ
日によっては、疲れ過ぎて勉強に全く手がつかないときもあるかもしれません。そんな日は休むのが一番ですが、何も進展しないと自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。
そういった場合、どんなに疲れていても取り組める簡単なことを日課にしておくことで、ちょっとでも勉強へ向かうハードルを下げることをオススメします。たとえば、数学の問題を必ず1問解く、などと決めておくのです。
このようにハードルの低い日課を設定しておくことで、「1問でも前進したぞ」と自分のストレスを軽くできます。また、場合によってはそれを足がかりに、やる気が出たらもう1問…と、手を進められる可能性もあります。
ただ、どんなにハードルを低く設定しても、その日のコンディション次第では日課をこなすことすらできないかもしれません。そんなときは自分を責めずに、「明日から継続すればいいか!」とポジティブに考えるのがよいでしょう。
何よりも大事なのは、自分から勉強を遠ざけないことなのです。
苦手科目ほど伸びしろがある
試験という目標がある場合には、常にその得点を最大化することを意識しなければなりません。そのため、「勉強した場合、最も点数が伸びそうなところ」に時間をかけるのが賢明です。その「伸びそう」な可能性が高いところとは、実は「苦手科目」なのです。
多くの人にとって、苦手なものはつまらなく、得意なものは楽しく感じる傾向にあるので、意識しなければ勉強時間は得意科目に傾いてしまうことでしょう。それはそれで、勉強がますます好きになるという意味でよいことだと思います。
しかし、試験にどうしても受からなければいけないのであれば、少し我慢して、苦手科目へ多めに時間を割くとよいでしょう。試験での点数の伸びはもちろん、自分の弱点に目を向けられる忍耐力は必ずや今後の人生で役に立つことでしょう。
もっとも、必ずしも「苦手科目=伸びしろが多い」とは言えませんし、試験における配点が低い場合、その科目のコスパは悪いと言えます。自分の状況を客観視することが重要です。
そして再三になりますが、勉強が嫌いになっては本末転倒なので、コスパがよいからといって自分を精神的に追い込み過ぎるのはやめましょう。
河野 玄斗
次世代オンライン学習塾 河野塾ISM 代表
1996年神奈川県生まれ。東京大学医学部を卒業。司法試験・医師国家試験・公認会計士試験に合格し、3大難関国家資格を制覇。初著書『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法』(KADOKAWA)はタイ語・繁体字等へも翻訳され、累計12万部を超えるベストセラーとなった。
「頭脳王」(日テレ)にて三度優勝、「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(日テレ)番組史上初の全問正解など、テレビにも多数出演。Xフォロワー20万人、YouTubeチャンネル「Stardy-河野玄斗の神授業」は登録者118万人を突破した。
現在は、次世代オンライン学習塾 「河野塾ISM」を立ち上げ、累計生徒数は50,000人を突破。最強の学習プログラム「KONO式」を開発した。
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