“取り残される不安”が日本好循環の契機となるか
このようにして日本においても米国のように、企業の儲けが社会還元され需要創造に結びつくという動きが、株高を契機にして起こり始めている。
[図表7、8]に見るように、日本企業は過剰の資本保有により、ROE(自己資本利益率=自己資本成長率)が著しく低くなり、主要国中最低のPBRを余儀なくされてきた。これは家計と同様企業も「Cash is King」メンタリティーに毒されていたためといえる。
岸田政権の新しい資本主義政策は、ここに照準が定められている。米国流の、株価上昇による資産の増加⇒消費増加⇒経済成長⇒株価上昇、という好循環が日本でも定着する可能性は大きい。
武者 陵司
株式会社武者リサーチ
代表
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