亡くなった人のクレジットカードは必ず解約手続きを
クレジットカードは利用者が亡くなったからといって、自動的に利用停止や解約にはなりません。亡くなった人のクレジットカードは必ず解約手続きを行いましょう。
手続きはクレジットカード会社によって異なりますが、基本的には家族などの法定相続人がクレジットカードの裏面か、明細書に記載してある電話番号に問い合わせて、利用者が亡くなった旨を伝え、解約手続きを行います。また、クレジットカード会社によっては必要書類の提出を求める場合もあるので、その際は書類を提出します。
なお、亡くなった人が利用していたクレジットカードがわからない場合は、銀行口座の履歴などを見てクレジットカード会社を特定します。クレジットカード会社によって解約手続きは違うので、必ず亡くなった人が利用していたクレジットカード会社に連絡を入れて、解約手続きの方法を確認しましょう。
電話で解約できない場合に必要な書類
•退会届等各種届出書(カード会社所定の書類)
•利用者の死亡の記載がある書類:死亡届の写し、戸籍謄本、除籍謄本、住民票除票など
……など
クレジットカードを解約する前に確認すること
クレジットカードを解約する前に次のことを確認しましょう。
●公共料金・インターネットなど自動引き落とし設定がある場合は?
公共料金、携帯電話料金、インターネット、サブスクなどの支払い方法をクレジットカードに設定している場合は、各契約先に解約または支払い方法の変更を依頼します。
●年会費がかかるカードの場合は?
年会費はクレジットカードを解約するまでかかります。亡くなった人のクレジットカードが年会費のかかるカードの場合は、年会費が引き落とされる期限以前に解約しましょう。
●家族カードや付帯カードの場合は?
亡くなった人が本会員(代表会員)の場合、亡くなった人がクレジットカードを解約すると、家族カード、ETC、PASMO、Suicaなどの付帯カードも同時に解約になります。なお、家族カードのみの引き継ぎはできないので、新規に本会員として登録手続きが必要です。
●電子マネー機能付きカードの場合は?
PASMOやSuicaなどの定期券が搭載されているカードは、必ず定期券発売所で退会手続きを行いましょう。
●クレジットカードにポイント・マイルが貯まっている場合は?
クレジットカードのポイントは、解約すると失効する場合が多いです。ただし、JALやANAなどのマイルが貯まるクレジットカードの場合、マイルは相続の対象になります。詳しい手続きなどは、必ずクレジットカード会社に連絡して確認しましょう。
●リボ払いや分割払いなどの未払い分がある場合は?
亡くなった人がクレジットカードでリボ払いや分割払い、キャッシングなどを利用していた場合、未精算金や返済額などの未払い分が残っていることがあります。これらの未払い分は「マイナスの相続財産(債務控除の対象)」になります。よって、相続人が相続放棄をしない限り、支払う義務が生じます。クレジットカード会社から未払金の請求が届いた場合、相続人は支払わなければなりません。明細書は相続税を計算するときに使うので、大切に保管しましょう。
亡くなった人のローン残高は「信用情報機関」で調べられる
亡くなった人のカードローンや借金がどこにあるかわからない場合、また、どの会社で契約していたかわからない場合には、信用情報機関を利用しましょう。
信用情報機関には金融機関、クレジットカード会社、消費者金融などが加盟しており、信用情報が共有されています。主な信用情報機関は次の通りです。
クレジット会社からの借入
CIC(クレジット・インフォメーション・センター)
利用する場合は、開示請求の方法や必要な書類などが、各ウェブサイトに詳しく記載されていますので確認してください。
また、亡くなった人の開示申し込み手続きができるのは、法定相続人と法定相続人の代理人などです。
イラスト ©中山成子
石倉 英樹
相続専門の公認会計士/税理士 兼 社会人落語家
※本記事は『税金のことが全然わかっていないド素人ですが、相続税って結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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