後ろ向きのものではない「人生のふりかえり」
人生の履歴書や自分史を書きながら「まるで遺言を書いているようだ!」と思われた方も多いと思います。しかし、これらは人生のふりかえりではありますが、決して後ろ向きのものではありません。むしろ、いままでの自分の生き方に一区切りをつけ、これからどう生きるべきかを探るためのものだと考えてください。
たとえば、あなたが若いときから仕事に打ち込み、定年を迎えたとします。それまでの仕事場での生活や意識と、定年後の環境の変化による意識の持ち方は、大きく異なってくるはずです。定年前と定年後とでは明らかに人生のステージは違います。あなたが新しいステージで生きるためには、過去の経験を糧にし、過去の実績を未来に役立てることが必要です。人生の履歴書、自分史、感謝の手紙は、そのためのものです。
また、これらは一度書いたら完結するというものではありません。自分はまだまだ発展途上、人生の途上であるという意識の表明です。ならば、積極的に「これからのステージのわたし」をイメージし、「わたしはこれからこう生きる!」という宣言につなげていくこともできるはずです。そこから希望は生まれます。
「人生途上宣言」とは、自分のそれまでの生き方に一区切りをつけたあとの「生き方」の宣言です。あなたがいつまでも、いきいきと輝き、生涯現役という意識を保って生きていくための宣言なのです。
「発展途上」の人生をつくりあげるための宣言
では、どのような宣言があるのでしょうか。たとえば、
人生途上宣言の例
チャレンジ宣言
いままで「こうしたい」「ああしたい」と思っていたけれど、状況や環境が許さずできなかったことに、思い切って挑戦してみたい
熱中宣言
夫婦、ご家族、友人、地域の人々との絆を深くし、そのかかわりに熱中し、趣味や特技をわかちあってみたい
学び宣言
資格の取得によって、あるいは学問を再開することで、新しい道は開けます。知的好奇心を満足させ、勉強するよろこびを感じたい
楽しみ宣言
いままでは生きるために働いてきたけれど、これからは楽しみながら生きたい。自分にとって本当に楽しいことはなにかを探して実行してみたい
健康宣言
定期的な運動をしたり食べ物の自己管理をしたりして、健康で快適な生活を送りたい
社会貢献宣言
いままでの仕事や専門分野を活かし、ボランティアなど、地域社会や災害被災地、開発途上国などに貢献する活動をしたい
後始末宣言
これまでの人生で「ああしておけばよかった」「ああ言えばよかった」などの悔いが残る場合もあったはず。しかもそれが気になって仕方ない、という場合も……。そんなときは勇気を振り絞って「後始末」を断行してみましょう。困難はともなうけれど、気持ちは必ず晴れてくるにちがいありません。憂いなく生きるための秘訣です
これらは、人生途上宣言の一部です。人生をふりかえりながら、より多くの情報を得たうえで、ときにアクティブに、ときにマイペースで、発展途上の人生をつくりあげてください。