今回は、なぜ富裕層は多額の生命保険に入っているのかを説明します。※本連載は、ランドマーク税理士法人の代表税理士・清田幸弘氏の著書『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』(あさ出版)の中から一部を抜粋し、お金持ちの人にこそ知ってほしい「資産を残す方法」をいくつか紹介します。

相続税の優遇処置がある生命保険金の受け取り

生命保険に入って掛金を払っておくと、亡くなってから生命保険金を財産として残すことができます。

 

生命保険金は、相続税の課税対象になりますが、「非課税枠」が認められているので、現金を残すよりも、相続税の負担を軽くすることができます。

 

【生命保険金の非課税枠】

「500万円×法定相続人の数」

 

たとえば、法定相続人の数が4人の場合には、「500万円×4人」で、「2000万円までは無税」で生命保険金を受け取ることができます。

 

預貯金で2000万円残した場合には、2000万円すべてに相続税がかかることになりますが、生命保険金であれば、同じ2000万円でも非課税です。

 

相続財産が不動産ばかりだと、多額の相続税が発生した場合に、不動産を売却して納税資金を捻出するか、その不動産をそのまま税金として納める(物納と言います)ことになります。

 

ですが、生命保険に加入にして受取人を相続人にしておけば、受け取った生命保険金を納税に使うことができるので、不動産を手放す必要がありません。

スムーズな遺産分割を図るうえでも有効

たとえば、農業を継ぐ長男に相続財産(土地)のほとんどを残したいと考えた場合、他の相続人から不満が出るかもしれません。このような場合は、長男を受取人とする生命保険契約に加入します。長男は受け取った保険金から他の相続人へ代償交付金を渡すことになり、兄弟間の「争続」を防ぐことができます。

 

不動産は、複数の相続人に分割することはなかなか難しいため、長男には土地を引き継がせ、次男には生命保険金(現金)を残すといった分割ができるでしょう。

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    本連載は、2016年10月3日刊行の書籍『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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