今回は、死後の個人財産の行き先を定めている「民法」について、該当部分の基本的な内容を見ていきます。※本連載は、ランドマーク税理士法人の代表税理士・清田幸弘氏の著書『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』(あさ出版)の中から一部を抜粋し、お金持ちの人にこそ知ってほしい「資産を残す方法」をいくつか紹介します。

残された家族の人数等によって財産の配分は変わる

相続が発生したときに、「誰が、どれだけの財産を受け継ぐか」は、民法で定められています。

民法で定められた相続人を「法定相続人」と言います。

 

亡くなった人の配偶者(夫が亡くなった場合は、妻)は、必ず相続人になります。

それ以外の相続人についても、第1順位、第2順位、第3順位が決まっています。

 

第1順位は、亡くなった人の直系卑属(子どもや孫)です。配偶者と子どもが相続人になる場合は、次の割合で相続します。

 

•配偶者/財産の2分の1

•子ども/残りの2分の1を子どもの数で均等に分割

 

子どもや孫がいなければ、第2順位の直系尊属(親や祖父母)、子どもも孫も、親も祖父母もいない場合は、第3順位の兄弟姉妹が相続人になります(順位と相続分については、下記の図表を参照してください)。

法定相続分のとおりに相続が行われるとは限られない

ところが、現実には、この法定相続分のとおりに相続が行われることは稀です。

たとえば、財産が不動産だと、きれいに分割できるとはかぎりません。

 

分割できたとしても、長男が家業の農業を継ぐような場合、土地を分散させてしまうと家業の存続にかかわります。

 

また、親と同居をして面倒を見てきた子どもと、そうでない子どもが同じ配分でいいのか、といった心情的なわだかまりもあります。

 

財産を残す側にしても、「配偶者や子どもだけでなく、孫や親戚にも財産を残したい」、あるいは「あの子には財産を渡したくない」と考える人もいます。

本連載は、2016年10月3日刊行の書籍『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

お金持ちはどうやって 資産を残しているのか

お金持ちはどうやって 資産を残しているのか

清田 幸弘

あさ出版

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