今回は、相続対策の第一歩として、所有する土地を用途ごとに「4種類の色分け」をする方法等についてお伝えします。※本連載は、ランドマーク税理士法人の代表税理士・清田幸弘氏の著書『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』(あさ出版)の中から一部を抜粋し、お金持ちの人にこそ知ってほしい「資産を残す方法」をいくつか紹介します。

市街地山林の場合、可能なら区画整理や宅地造成を

まずは、土地を活用した相続対策のうち「(3)土地を売却する節税」を説明します。

 

貸宅地や市街地山林、耕作権(農民が土地を耕作する権利)の付いている土地などは、収益性や処分のしやすさという面からみると、一般的には不良資産化している土地と言えます。こうした土地のことを「問題地」と言います。

 

貸宅地は、借主に買ってもらう交渉をします。

 

問題地が市街地山林の場合は、区画整理(土地の区画や境界.道路などを変更.整備すること)や宅地造成が可能であれば、生前にしておくといいでしょう。そうすることで、「売却できる土地」に変わります。

複数の土地があるときは、「色分け」して対策を練る

複数の土地を持っている場合は、その土地を用途ごとに「4種類の色分け」をして、その土地にふさわしい相続対策を考えましょう。

 

【土地の4種類の色分け】

•死守地:家を守るため、最後まで残さなければならない土地

(例)自宅、宅地用として子どもに譲る土地、農家を続けるための生産緑地など

 

•有効活用地:「家」のゆとりのために、有効活用したい土地

(例)アパートやマンション、店舗を建てるための土地など

 

•納税用地:相続発生時に納税する、または納税資金を準備するための売却しやすい土地(例)空き地や駐車場(売却する際に比較的容易に契約解除ができる)など

 

•問題地:有効活用がままならない土地

(例)貸宅地、耕作権の付いている土地、収益を生んでいない市街地山林など土地の色分けが終わったら、各土地についてどのような対策ができるかを考えます。

 

「引き継ぐ土地とそれ以外の土地」に分けて土地の使い道を検討すると、有効な相続税対策が行えます。

本連載は、2016年10月3日刊行の書籍『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

お金持ちはどうやって 資産を残しているのか

お金持ちはどうやって 資産を残しているのか

清田 幸弘

あさ出版

あの辣腕経営者、小山昇社長(株式会社武蔵野)も、絶賛! 「こんな方法もあったのかと驚いた。多額の税金を払わず資産を残し、事業を残すヒントがこの本には詰まっている。私もこの本の方法で、さまざまな対策を打ってい…

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