親から実家を相続した人には、大きく分けて「売る」「使う」「住む」「貸す」という4つの選択肢がありますが、どれを選び取るかの判断を下す上では「財産価値」という物差しで考えることが重要です。本稿では、三木章裕氏の著書『実家の「空き家」超有効活用術』(フォレスト出版)より一部を抜粋し、相続した実家を最大価値化させる方法について考えます。

3ヵ月もしないうちに売却が決定

このように竹本さんにお話しすると、「なるほど頭がスッキリしてきました。今まで考えれば考えるほど、迷路の中で頭がくるくる回るようでしたが、まずは売却できないか? 積極的に考えてみます」と明るく返事をもらいました。

 

その後の竹本さんには、筆者のメールアドレスを教えて随時相談するように伝えました。結局、奥さんと相談の上、竹本さんは実家を売りに出すことにしました。竹本さんの心配をよそに、ご近所の方が、息子さん家族がこちらで家を建てたいので、近隣の竹本さんの物件を購入したいと申し込んできました。

 

おかげで3カ月もしないうちに売却できることになりました。

 

竹本さんの実家は、売買契約を結んだ後、解体されて売却することになりました。解体前には、家の隅々まで、写真と動画で撮っておきました。写真を撮ると、大人の目線の高さと、子供のときに見えていた家の風景がかなり違うことを感じました。自分が考えていた実家の目線はもっと低く、天井がもっと高く感じていたことを思い出しました。

 

家がなくなる寂しさはありましたが、この家の売却のお金がお孫さんたちの将来のための学費に活用されるなら、少しは喜んでもらえるのではないかと、竹本さんはご両親の顔を思い浮かべました。

 

また子供たちにも、おじいちゃんたちが残してくれた財産のおかげで、学費を気にせずに進学できることを伝えて、今年のお盆にはみんなでお墓参りに行くことになったそうです。

 

実家の「空き家」超有効活用術

実家の「空き家」超有効活用術

三木 章裕

フォレスト出版

【放置しているだけで、年間コスト50万円以上! 実家が「空き家」になったときの有効活用法】 人口減少社会にある日本において 本格化してきている「空き家」問題。 「自分には関係ない」 と思っていたら大間違いです…

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