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頑張る受験生がやりがちな「NG行為」に要注意
試験本番を目前に、いま多くの医学部受験生が最後の追い込みを行っていることでしょう。ただし、受験生がやりがちな勉強や行動の中には、実は合格可能性を自らガクッと下げてしまう「NG行為」が少なくありません。その中でも、今回は「これだけはするな」という特に要注意事項をお伝えしたいと思います。
勉強編・行動編に分けて、さっそく見ていきましょう。
これだけはするな!<勉強編>
【NG】夜型・徹夜・詰め込み型の勉強をする
⇒徹夜ばかりしすぎて、朝寝坊の癖がついてしまうなどもってのほかです。「早起きできない受験生に勝算はない」ともいわれます。本番に向けて、無理のない範囲で、早寝・早起きの習慣を身につけるように心がけましょう。
また、夜型の生活を続けた結果、「夜が一番調子いい」という状態になってしまっては意味がありません。受験当日は、長い事前説明を経て、午前9時または10時頃に始まるのが一般的です。このタイミングで頭脳がフル回転する習慣になっていないと、つまらないミスで不合格になってしまうリスクが高まります。
ほかにも、試験の前日に詰め込んで勉強をするべきではありません。難しい問題を解こうとすると、かえって緊張につながってしまうことがあります。簡単な問題に目を通したり、基礎的な問題の反復解答をしたりなど、できるだけいつもどおりの精神状態でいられるように心がけましょう。
【NG】計算式をぐちゃぐちゃに書く
⇒計算用紙は綺麗に書きましょう。そうすれば、後から戻って解くときも計算ミスを見つけやすいです。計算ミスが目立つ受験生ほど計算式を乱雑に書きがちな印象です。ぐちゃぐちゃに書いてしまうとどこで間違えたのかが見つけられず、同じミスを繰り返してしまうのです。
人間である以上、計算ミスの発生を防ぐことはできません。ですから限られた時間でどれだけ戻って修正できるかが勝負です。
今からでも遅くありません。白紙の上に計算式を整えながら書く練習をしましょう。10点上がっただけでも何十人もの受験生を追い抜くことができるので、だいぶフォローできますよ。
【NG】文字を小さく書いてしまう
⇒計算式を小さく書くと、見直しの際に支障をきたします。また、記述問題の場合では得点のチャンスを逃す可能性があります。採点者は何千枚もの解答用紙をチェックしなければならないうえに、目が良い人ばかりではありません。「読めないものは、そもそも読まない」のです。“美しい字で書きなさい”とまでは言わないので、「丁寧に書く」「大きく書く」など、相手に読んでもらうことを意識しましょう。
【NG】英語の長文問題でいきなり本文を読み始める
⇒問題後半の長文問題は配点が高い傾向にありますが、受験生からはよく「最後の問題で時間がなくなってしまった」という反省が聞かれます。これは時間配分ミスです。数学と同じように1番から解き始めると間に合わなくなる可能性があります。まずは問題文を読んで、「何を聞いているのか?」を把握してから本文読解へ移りましょう。
【NG】英語長文問題の過去問を解かない
⇒長文問題には過去問の分析が有効です(※)。なぜなら多くの大学は問題の形式が同じだからです(※ただし慶応大を除く。慶応大医学部は形式ごとガラリと変えて出題してきます)。
長文問題では本文の内容そのものが難しいことが多々あり、20代前後ではとても読まないような難しい医学部系の文献から取り上げられていることもあります。しかし、いくら知らない単語がたくさん登場したとしても、問いと答えというのは、結局その難しい単語とはあまり関係のないことも多いのです。英語長文ではこのような「見かけ上の難しさ」に惑わされないという点も大事です。
これを知らなければ本番でパニックになったり、「もうダメだ」と思考が固まってしまうかもしれません。調子を乱されてしまっては、実力の発揮は難しいでしょう。
英語が得意であっても油断することなくきちんと過去問を研究して、どの程度のレベルの文献から出題するのかということや、「自分の知らない単語が出てきても、問題を解くうえで支障はない」ということを事前に理解しておきましょう。
【NG】英作文の練習を後回しにする
⇒最後の英作文で差がついてしまうケースもあります。文法や長文はカバーできたのに、英作文が「書けない」のです。
英作文を練習していないと、日本語で考えたことをそのまま英語にしようしがちです。自分で問題のハードルを上げてしまい、時間はあるのに書けない、点数を取りに行けないという事態に陥ります。
日本語で考えたことをそっくりそのまま英文にできなくとも、「要は、自分はこういうことが言いたいのだな」と解釈をし直し、わかりやすい英語に変換できれば書き出すことができます。
また、以前ネイティブの先生から「何千枚も採点しなければならないので、意味が通ればマルをつけることにしている」と聞いたこともありました。簡単な英文でもOKなのです。最後に出題される英作文は配点が高いです。1点でも多く取れるように対策しましょう。
【NG】医療系の英単語をたくさん覚えようとする
⇒医療系の英単語をたくさん覚えようとするのも、あまり意味がないように思います。
難しい医療系の英単語があっても意外と出題内容に関係しないことは、前項『【NG】英語長文の過去問を解かない』でも述べました。
実際、生徒の中には「帰国子女だから英語は得意だけれど、単語テストを行うと医療系の難しい用語はサッパリ」という受験生たちがいますが、模試などのテストでは高得点を取っています。つまり彼らは、問いと文章の中身を直結させ、文中に紛れている専門的な英単語はわからなくとも答えを出しているということです。文章の骨格を読めていれば解けるのです。
そう考えると、医学部受験だからといって医療系の英単語を覚えることに時間を割きすぎるのは、骨折り損だと思います。基礎的な英単語を定着させる、構文を捉える力を磨く、短文を覚えるなどの方がやはり重要です。
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これだけはするな!<行動編>
【NG】受験会場に早く着きすぎてしまう
⇒例えば開場が午前8時であるにもかかわらず、朝6~7時に到着してしまう受験生親子がいます。一見、準備万端かつ気合十分で「良い心がけ」に思われるかもしれませんが、寒空の下で待機するのは風邪を引きに行くようなものです。気合いの空回りには注意しましょう。
【NG】会場で知人と再会し、話しかけてしまう
⇒本番で絶対に避けたいこと。それは、会場で新型コロナやインフルエンザなどの感染症にかかってしまうことです。会場内に感染者がいないとは断言できません。そんななか、知人を見つけるとホッとして、つい駆け寄って「久しぶり!」「元気だった?」とおしゃべりをしてしまう受験生がいますが、これでは自ら感染リスクを上げるようなもの。会場でのコミュニケーションはなるべく我慢しましょう。
【NG】休憩時間内にお手洗いを済ませられない(トイレ難民)
⇒大学によっては、ホテルの宴会場などで試験を実施します。ここで要注意なのが「お手洗い」問題。休憩時間内にお手洗いを済ませられないリスクがあります。
そもそもホテルのお手洗いは、同じ時間帯に1,000人規模が利用することを想定したものではありませんから、受験生に対して数が足りません。大行列になることは必至です。並ぶだけで休憩時間が終わってしまい、我慢したまま次の試験に臨むことになる可能性もあります。これでは集中力が低下するばかりか、体調に支障をきたすこともあり、本来の力を発揮することが難しくなってしまいます。
トイレ難民にならないためには、できれば会場となったホテルに部屋を取り、休憩時間には部屋へ戻って用を足すことをおすすめします。
また、従来の医学部受験の主戦場といえば「五反田TOC」でしたが、今回五反田TOCを利用するのは2校だけです。多くの大学は東京流通センターやパシフィコ横浜ノースなど、会場がガラリと変わります。ここでもトイレ難民にならないために、到着したらまずはお手洗いの場所を確認しましょう。
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最後に
以上、今回は「これだけはするな」という合格可能性がガクッと下がるNG行為を10個紹介しました。医学部受験を突破するには、「どんな知識を頭に入れるか」という勉強面ばかりではなく、このような“周辺”の部分にも気を配ることが大事です。
もし現状で当てはまってしまっているNG行為があっても、今日から軌道修正できますし、頭の片隅に入れておくだけでも当日の対策になるでしょう。ぜひご活用ください。
また、試験場に入ったら最後の確認をしましょう。試験が始まったら最後まであきらめない気持ちを大切にしてください。
自分の力を信じて、落ち着いて問題にあたってください。時として自分に自信がもてなくなり、不安に感じることがあるかもしれません。しかし「不安は頑張っている証拠」です。努力してきた人にとっては誰もが感じることですから、必要以上に心配しないようにしてください。
医学部の「合格」はゴールではなく、次へのスタートです。みなさんが合格を掴み取れるよう心から応援しています。健闘をお祈りいたします。
亀井 孝祥
医学部受験専門予備校メディカ 代表、数学講師
愛知・東海高校から東京理科大学へ。塾講師を経て医学部受験予備校YMSにて数学科主任、教学部長など9年務めたあと、姉妹校設立のため独立。姉妹校提携解消後、医学部受験専門予備校メディカを設立。現在に至る。
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