(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、2022年に1年間を通じて勤務した給与所得者5,078万人のうち、「年収1,000万円超」給与所得者の割合は所得者全体の5.4%。現役時代に年収が1,000万円を超えたサラリーマンは、いわゆる「勝ち組のエリート」といえそうです。しかし、老後も安泰かというと、そううまくは行かず……。本記事では、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が、Aさんの事例とともに元高収入サラリーマンの老後の注意点について解説します。

時給は現役時代の5分の1

現役時代は年収1,200万円だったAさん。当時の年収を時給換算してみると約6,250円(1日の労働時間を8時間、1ヵ月の出勤日数を20日で計算)。

 

アルバイト三昧の生活を余儀なくされた現在の時給は1,200円。Aさんは、体が辛くても、怒鳴られても、新しい家族のために働かなければと背負い込んでいます。

 

それでも、ひとり寂しかった時期に比べると、家で待っている家族のために働くほうがやりがいを感じると言います。新しい家族のために老後破産しないよう、もっとがんばって働かないと……。少し疲れた顔をしながら話していました。

AさんとSさん、それぞれの働き方を変える

Aさん夫婦が老後破産しないようにするにはどうすればいいのでしょうか。Aさんは現役時代のスキルを活かして、社会保険に加入する働き方ができるか、転職を検討することをお勧めします。70歳まで社会保険に加入することで年金額を増やすことができ、私傷病で仕事ができない期間の生活保障に、傷病手当金を受け取ることができるからです。

 

妻にも腹を割ってお金について相談してみるべきでしょう。Sさんと比べても、年齢的にAさんは病気やけがのリスクが高まっています。二馬力で働くことで、こうしたリスクを下げることにもつながるかもしれません。

 

まずは、ひとりで背負い込んで無理し過ぎずに、配偶者と話し合い、共働きでがんばってみてはいかがでしょうか。

 

 

三藤 桂子

社会保険労務士法人エニシアFP

代表

 

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