(※写真はイメージです/PIXTA)

部下の指導に悩み、苦労しているビジネスパーソンは多いでしょう。かつての終身雇用・年功序列がなくなりつつあるいま、部下は必ずしも上司の思惑どおりに行動するわけでなく、組織へのロイヤリティや共同体感覚が強い人も少ないのが現状です。このようななかで自分の部下を伸ばすには、どうすればよいのでしょうか。本記事では、上司が部下を伸ばすための「褒め方」についてアナウンサーの樋田かおり氏が解説します。

褒め上手な上司がさりげなくやっていること

“褒め上手”と聞いて思い出すのは、筆者が駆け出しの経営者であったころ、先輩起業家として何度か近況を報告したことのある方です。

 

あるとき、「今月は新規で〇件のお客様が決まりました」と伝えたところ、即座に「おお! すごいじゃん!」と喜びをわかち合ってくれました。そして、「初めましての相手にもすぐに心を開かせるよさがありますよね」と筆者の営業スタイルのよいと感じる点を具体的にあげて褒めてくれます。

 

さらに、「以前イベントを回って、たくさんの経営者と名刺交換をしていましたよね。その積み重ねが、結果として表れたんですね」と過去に話したことに触れながら、成果につながった理由も挙げてくださいました。

 

このように、褒め言葉に「具体的によかった点」と「過去の行動との紐づけ」という裏づけの言葉を加えるのは、”褒め上手”な上司が自然にやっていることです。

 

褒め言葉に「裏づけ」を加えられるようになるには

”褒め上手”の言葉を形にしたものが、会社のMVP表彰です。社員に成績優秀賞やバリュー賞などを授与する際、「具体的になにがよかったか」「その行動が周囲にどのような影響を与えたか」といった授賞理由を添えると思います。

 

普段の褒め方も、これと同じです。部下を褒めるのが苦手な方は脳内で表彰式をイメージし、授賞理由を言葉で伝えてみてください。最初は大袈裟だと感じるかもしれませんが、褒め言葉に裏づけを加えることができるようになります。

効果的な全体褒め、第三者褒め

”褒め上手”な上司は、複数の褒め方や褒め言葉を使っています。

 

若手の育成が上手なある人材会社の管理職の方は、毎週の定例ミーティングの冒頭をメンバーのポジティブな行動を褒める時間と決めているそうです。営業実績などの成果は全体の場で発表されるのに対し、成果につながったメンバーの日常の行動は埋もれてしまいがちです。そこで、メンバーを個別に褒めたあと、改めて全体の場で褒めるのです。

 

このような”全体褒め”のときは、「あの行動がよかった」とメンバーに共有するような言い方が効果的です。たとえば、

 

「〇〇さんがフォローメールで具体的な提案をいくつも挙げていたことが、顧客のリピートにつながったと思います」

 

上記のようなイメージです。本人はチームに貢献できたことを感じ、チームメンバーは望ましい行動を理解することができます。

 

また、他者の声を使って褒める”第三者褒め”も、効果的です。
 

「お客様から〇〇さんのおかげで毎月助かっているという声を聞きました」

「別の部署の人が『〇〇さんの企画書を見習いたい』といってましたよ」

 

上記のように、第三者の評価を使って間接的に部下を褒めるのです。部下は直接褒められるよりも喜びが大きくなり、褒めてくれた第三者に対しても、それを伝えてくれた上司に対しても、好意的な感情を抱きます。

 

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