(※写真はイメージです/PIXTA)

部下の指導に悩み、苦労しているビジネスパーソンは多いでしょう。かつての終身雇用・年功序列がなくなりつつあるいま、部下は必ずしも上司の思惑どおりに行動するわけでなく、組織へのロイヤリティや共同体感覚が強い人も少ないのが現状です。このようななかで自分の部下を伸ばすには、どうすればよいのでしょうか。本記事では、上司が部下を伸ばすための「褒め方」についてアナウンサーの樋田かおり氏が解説します。

褒める前に「承認」する

褒め言葉で部下を伸ばすために、”褒め上手”な人が日ごろからやっていることがあります。それは相手を「承認」する声かけです。

 

たとえば、挨拶をする、名前を呼ぶ、持ち物を褒める、「今日は元気ない?」と声を掛ける、「それ、いいね」と共感する、「お疲れ様」とねぎらう、などのちょっとした言葉かけを通して部下の存在や行動を承認しているのです。これを行うには、日ごろから相手をよく見ていることが必要です。

 

ある”褒め上手”な社長は約800人いる社員全員の誕生日を覚え、声を掛けているそうです。さらにその人のいいところを見つけ、「整頓が上手ですよね」などと言葉で伝えているといいます。

 

また、育成の達人と呼ばれた野球監督からは、選手がベンチに戻るときの後ろ姿や歩き方を観察していたと聞きました。エラーをしても走って戻る人、下を向いてとぼとぼと歩く人と、選手によってさまざまで、気持ちや向き合い方が表れているそうです。

 

ビジネスシーンでも同じです。部下がどのような姿勢で仕事に臨んでいるかは、日常の姿や行動にあふれています。上司の役割はこれを観察し、承認することです。そうすることで、褒め言葉が効果を発揮するのです。

部下のやる気を上げる「3つの“す”」

”褒め上手”になる第一歩として、日常の声かけについてご紹介します。

 

褒め言葉として「さ行」の5つの言葉(さすが、知らなかった、すごい、センスある、そうなんだ)が知られています。筆者は褒め慣れていない上司にはもっとシンプルに、「すごい」「すばらしい」「さすが」の3つをお勧めしています。「さ行」の3つ、または「さすが」の「す」をとって3つの「す」と覚えてください。

 

部下から商談のアポが取れたと聞いたら、「すごい!」。部下が作った資料を見て、「すばらしい」。トラブル対応をスムーズに終えた部下に、「さすがだね!」。ポイントはあいさつをするくらいの自然さで即座に反応して伝えること、目線を合わせて伝えることです。チャットの場合は、目線の代わりに名前を呼びかけて伝えます。

 

このあと、裏づけの言葉を添えることを忘れないでください。
 

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