生成AIで「大幅に業務効率が向上した」は18%
調査はFIXER社が全国の従業員300人以上の企業を対象に10月17~20日に実施し、800件の回答を得た。情報・通信のほか、金融・保険、不動産、流通・小売りなどの企業が対象となった。
生成AIは人間の指示に基づき文章や画像を自動で生成する人工知能(AI)。企業は生産性向上に向けて導入を進めており、2024年以降に利用が拡大するとみられる。
アンケートで「生成AIを利用しているか」と聞いたところ、「業務で利用している」は21.9%だった。利用している人に対して「生成AIを使って実際に業務の効率は向上したか」と質問したところ、「大幅に効率が向上した」と答えた人は18.3%だった。
「ある程度効率が向上した」は62.9%に達し、「効率が向上した」との回答は合計で81.2%にのぼった。利用に踏み出した人のほとんどが業務効率の向上に成功していることがわかった。一方で「変わらない」との回答は15.4%、「効率が下がった」は3.4%に過ぎなかった。
生成AIが「不適切な結果」との回答は非常に少なく
生成AIを巡っては、事実と異なる回答をもっともらしく生成してしまうハルシネーション(幻覚)と呼ばれる現象が起きるという課題が指摘されている。今回のアンケートで「生成AIが生成した結果(回答)はどの程度適切だったか」と質問したところ、「ほぼ全て適切な結果だった」と答えた人は10.3%だった。
「概ね適切な結果だった」との回答も47.4%に達し、57.7%にのぼった。生成AI各社は能力の高い新モデルを相次いで発表しており、徐々に回答の正確性が向上しているとみられる。
「適切な時と適切でない時と同程度」との回答も35.4%に達した。適切な回答を得るには詳細なプロンプト(指示文)を入力することが必要だ。生成AIの能力の問題だけでなく、こうした理由で適切でない回答が出てくる人も少なくない。もっとも、「概ね不適切な結果だった」との答えは6.3%、「ほぼ全て不適切な結果だった」との回答は0.6%に過ぎなかった。
今回のアンケートでは「不適切な回答が多かった」との回答は非常に少なく、生成AIの能力が向上していることが浮き彫りになった。
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